ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の日医大数学 -2002年-

このシリーズでは、日本医科大学の数学の問題を解いていきます。

 

22回目の今回は2002年です。

(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)

※誤って2002年と2001年を順番を逆にして解いてしまったので、2001の方からupしています。

第1問

関数の微分可能性に関する問題です。

 

(1)~(4)

t,-tの符号や、積分区間の符号に注意して逐一積分していきます。

 

(5)(6)

t=0以外ではS(t)は微分可能なので、特に気にすることもなく普通に微分すればOKです。

 

(7)(8)

t=0でS(t)が微分可能になるためには、S'(t)でtを右から0に近づけた極限と左から0に近づけた極限とが一致すればよいわけです。

 

<筆者の解答>

 

第2問

漸化式に関する問題です。

 

(1)~(3)

u(n)の漸化式は3項間漸化式なので、u(1), u(2)を決めてあげれば一般項を調べることができます。特性方程式の解が1の重解のみとなるので、等差数列に帰着できる形です。

(3)については、u(500)の情報からu(1)を求めてあげればOKです。

 

(4)v(m,n)の2本の漸化式は、それぞれ片方の文字を固定すれば(1)と同じような漸化式と解釈出来て同じように一般項を求めることができます。

あとは、m,nに適切な数を代入して調べていけばよいでしょう。

 

(5) (4)でa~dの値をすべて決めてあげればよいでしょう。

 

(6) (a)については(5)と同様で、(b)ではv(m,n)がp,m,nの式に帰着できるので、これがpの恒等式となるようにm,nの条件を決めていきます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

経路を題材にした確率の問題です。

問題文が非常に長く、(7)以降に手を出すのは時間的に厳しいでしょう(7以降はそれ単体で6までを上回るボリュームと言ってよいです)。本番では(6)まで解くのが精一杯でしょうね。

 

(1)ABとBCが両方通れれば題意を満たします。

 

(2)この場合は全線開通が条件です。

 

(3)A→Cに行ける全ての開通状況を列挙するしかないでしょう。

 

(4)BDが不通ということは、結局(3)までと同じ状況を考えていることになるので、求める確率は(1-p)×P1となります。

 

(5)BDが不通の状況は(4)で考えているので、今度はBDが通れる状況を考えます。このときに(3)までの考察が役に立ちます。(3)で調べた開通状況はBDの開通の有無に依存しないので、実質「BDが開通することで初めてA→Cに行ける経路」だけ新しく考えればよいことになります。

 

(6) P2-P1は、(5)で新規に考えた確率に他なりません。よって、これをpで微分して増減をチェックすればOKです。

 

(7)縦の経路が横ずれしているせいで、経路が計7個もあって開通の仕方は2^7=128通りと爆発的に跳ね上がってしまいます。この状況では(6)までのように開通状況を全調査することは全く現実的ではありません。

 

ここで発想力が必要になるのですが、途中で経路が分岐しないFD→DC、EB→BCの2経路をそれぞれ一体のものと解釈してあげると、(4)~(6)の状況に帰着できることに気付きます。

こうなればA→Cに行ける経路はすべて調査済みなので、確率計算が可能になります。

 

上記2経路は、例えばFD→DCの場合はFDとDCの両方が開通しているときにはじめて「通れて」、それ以外の場合は「通れない」となります。

 

(8) P3をuで微分して増減を調べることが大枠となります。

0<x<1をuの範囲に置き換えると√r<u<1となることに注意して、P3の微分が0になるようなuの値が、この範囲にあるかどうかをチェックする必要があります。この大小関係の把握が結構面倒です。

 

<筆者の解答>