昨日に引き続き、第2弾として、早稲田の理工学部を解いてみました。
(※本日が試験本番で、問題はtwitterから拝借。解答速報も出ていないため答え合わせができていない旨、ご了承くださいm(_ _)m )
[2/18追記]大問5に出題ミスがあります。詳しくは個別解説にて。
<概略> (カッコ内は筆者が解くのにかかった時間)
1.複素数の計算問題 (25分)
2. 放物線に接する円に関する問題。 (25分)
3. 容器の水位に関する微分方程式の問題。 (13分)
4. あたりが出るまでくじを引き続ける確率の問題。 (21分)
5. 指数関数のグラフにまつわる面積・体積を計算する問題。 (30分)
合計114分 (参考:試験時間たぶん120分)
<体感難易度>
易レベル:なし、標準レベル: 2,3,4、やや難レベル:1,5、難レベル:なし
昨年みたく瞬殺できる問題がなくなり難化傾向だと思います。慶応みたく穴埋め式ではないので、きちんと自分で攻略方針を立てる必要があります。
<個別の感想>
第1問
複素数の計算問題です。
(1)は割と有名な事実ですが、どう証明するかはいくつか手段があるかと思います。
大きく分けて複素数のままで処理するか、ベクトルに置きなおして処理するかの2択だと思います(私の答案は前者を採用しました)。
複素数のままで処理する場合、α,β,γの三つをそれぞれx+iyの形において処理するのは得策ではないです。せっかく絶対値の情報が与えられているのですから、極形式の形に書くほうが良いです。
そして、極形式は「回転」を考えるのに都合がよく、αを固定したうえで、βはαをθ回転したもの、γはαをΦ回転したものとみなして処理していくのがよいと思います。途中で三角関数の和積変換公式を使うなど道のりはそこそこかかりますが、最終的にθ = 120°、Φ= -120°が証明できればOKです。
もう一つのベクトルに直して解く方法は、類題として東大2013年理系第4問があります。この時はαを表すベクトルを(1,0)としても一般性を失わないため、処理が楽になります。
(2),(3)は(1)ができてしまえば、ただの計算です。この問題で登場する角度は3種類しかないので、複素共役などうまく使いながら処理していきましょう。
<筆者の答案>
第2問
放物線に接する円に関する問題です。誘導が非常に丁寧で難易度も高くないので、完答を目指したいところです。
(1)(2)はボーナス問題です。これが解けない人は、教科書からやり直しです。ただし、(2)はtが0なのか否かで場合分けが必要になります。
(3)はCと円の方程式を連立して・・・とやるのは大変だと思います。せっかく(1)(2)で法線と接線を考えたのだから、図形的にQの座標を出しましょう。具体的にはPの座標と、法線の傾きの情報を使います。
(4)は、(3)で出したYの式を微分して増減表を書くだけ、、なのですが、罠があります。Yの式を微分すると分かるのですが、実は「dが1より大きいか小さいか」で場合分けが必要なのです。方やY'=0 となるtが一個、もう一方はY'=0となるtが3個出てきてしまうのです。この場合分けの必要性に気づけたかが、大きな分かれ目になったかと思います。
<筆者の答案>
第3問
近年の入試ではあまり見かけない微分方程式の問題です。
曲線の式もx=g(y)の形で書かれていて少し困惑しますが、一度でもこの手の微分方程式に触れたことのある人であれば、楽に解けたかな、という感じです。逆に経験のない人にとっては難しく感じたかと思います。
t秒後の容器の水量をV(t)とでもして、V(t)を積分の形で書いてtで微分すれば、これがvで一定になる、という関係を使っていけばよいでしょう。
(1)はh'(t)が一定値だという事実を使えばよく、(2)は関数を代入して積分するだけです。
積分定数cの処理については、t=0のとき容器は空(h=0)というのを暗黙の前提として置きました(問題文に明記されていないので、ここは出題ミスなのかな)。
<筆者の答案>
第4問
確率の問題です。
この問題の目新しい点は、「赤を引かなければ、最後尾に並んでやり直す」という設定で、同じ人が赤を引くといっても、「1巡目に赤を引く」「2巡目に赤を引く」といった概念が登場するわけです。ルールの設定上、登場する確率は、
(青を引く)×(青を引く)× ・・・×(青を引く)×(赤を引く)の形しかないので、
等比数列の無限和を考えればよい、ということが分かると思います。
(3)はいわゆる「期待値」を計算させています。
<筆者の答案>
第5問
グラフの領域の面積、およびその回転体の体積を計算する問題です。かなり面倒な問題ですね。
面倒くささの要因その1は、関数の中に絶対値が入っていること。この瞬間に、絶対値の中身の正負で場合分けが必要になります。(2)なんてxにもyにも絶対値が入ってて、やめたげてよぉ!!となること請け合いです。
面倒くささの要因その2は、x=f(y)の形が登場すること。いわゆる逆関数という奴で、元の関数と直線y=xに対して対称になります。
この両者を合わせれば、Dは「y=xについて対称だし、xy軸についても対称だ」と分かります。また、傾きを意識しながらグラフを描くと、軸上にある4つの頂点以外の境界線は滑らかに繋がっている、なんてことも分かります。
正直Dを図示するだけでお腹一杯という感じでしょう。
(3)は対称性を使って、Dを8等分した面積を計算すればよいでしょう。
(4)も対称性を使えばx>0の領域で体積を出して最後に2倍する という方針で行きましょう。積分計算は、変数変換含めて少々面倒ですが、頑張りましょう。
[2/18追記]
私の答案に致命的な誤りがありました。(2)について、実は図の右上、右下、左上、左下の領域もDに入ります(※境界の曲線は正しいです)。よってDは開いた領域となるため、(3)(4)は解答不可能です。
要は早稲田側の出題ミスです。
私自身、(3)もあるしDが閉じている領域のはずだと早合点してしまったため、このミスに気づけませんでした。。多分、早稲田の先生の想定していた解答は下のようなものだったと思いますが、私と同じ勘違いをしてしまったんだと思います。
(Dの定義を、「曲線で囲まれる部分」「原点を含む部分」などとしておけば、今回のミスは回避され、出題意図通りになったと思われます)
いずれにせよ、ミスに気付けず誤った解答を出してしまい、すみませんでした。今後は出題ミスの可能性も視野に入れてやっていきたいですし、もし私の回答に誤りなどあれば、遠慮なくコメント頂ければ助かります。
大学側もこのミスを認めて、(3)以降は全員正解扱いにするんだそうです。この問題で悩み時間をかけた受験生も多かったでしょうし、やりきれないですよね。以後、こうした出題ミスはなくなって欲しいですね。
<筆者の答案>
2/18 追記 (2)のDは正しくは以下です。四隅が無限遠まで広がっているため、
(3)や(4)の面積・体積が定義できません(強いて言えば、∞)。