2022年も大学入試のシーズンがやってきました。
今回は、北海道大学の理系数学に挑戦します。
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1. 絶対値付き関数の最小値 (60分)
2. ベクトル列の一般項 (50分)
3. 面積の増減 (50分)
4. 円順列 (25分)
5. 複素数平面 (15分)
計200分
<体感難易度>
5<2<4<3<1
例年平易な出題をしてくる北大とは思えないほどに激難化しました。場合分けが煩雑、計算も煩雑、忘れたころにやってくる円順列、などなど解いてて軽くパニック状態になりましたよ・・・
<個別解説>
第1問
絶対値付きの関数の最小値に関する問題です。第1問でありながら、個人的にはこのセットの中では一番難しく感じました。
(1)(2)これらはまとめて考察するとよいでしょう。
まずはとにも角にも絶対値を外さないことには始まらないので、xの範囲で場合分けしてf(x)の概形を調べましょう。
調べていくうちにa+bの値と(a+b+1)/4の値による計6通りもの場合分けが発生します。
そのうち4つについては最小値の候補が2つ出てくるので、その大小評価も行わないといけません。
(3) これは線形計画法の問題です。(2)の結果を使ってa,bの存在領域を求めて、それとm=(a,b)の式 が交点を持つ条件を考えていきます。
<筆者の回答>
第2問
ベクトル列の一般項を求める問題です。
(1)与えられた条件を使って、とにかくOPn+2をOPn+1とOPnのみを使って表現することに尽きます。
(2) xnについては、よくある3項間漸化式です。
(3) ynの漸化式は、xnの漸化式とよく似ていますが、余計なa^(-n)という項がくっついています。ここはxnを解くときに使った式変形を流用してあげるとよいでしょう。
[3/1追記] (3)で計算ミスがあったので修正しました。
<筆者の回答>
第3問
面積の増減を考える問題です。
(1) Dの条件式は対数を使って見やすい形にするとよいでしょう。
(2) 考える面積は、結局のところ(1)で考えた曲線とy=aとで挟まれた部分の面積です。両者の交点をx=α,βとしてとりあえずS(a)を立式して微分してみましょう。
αとβはaの関数なので、これらの微分をオマケでかける必要がありますが、式変形すると見事に消えてS'(a)はかなりスッキリした式になります。
<筆者の回答>
第4問
円順列に関する確率の問題です。忘れた頃にやってきた題材であり、不意を突かれた受験生も多かったのでは。
この問題を考える上で重要なのは、2個ずつあるKとOは2つをきっちり区別して考えることです。
(1) 1~8の番号を振った円形の部屋に各文字を割り振ることを考えるとよいでしょう。ここでは1の部屋にHを入れて考えると良いです。あとはHを入れる部屋の選び方を考えればOKです。
(2) これは余事象、「子音が一つも隣り合わない確率」を考えるとよいでしょう。(1)と同じように1にHを入れたとき、DとK2つは3,5,7の部屋にしか入れられません。
(3) KKが一塊になっているので、今度は部屋を7つ準備してあげればよいでしょう。あとはKK同士の並び替えの存在を忘れずに。
[3/1追記] 部屋に番号を付けて考えたので、全部の並べ方を8!通りにすべきでした。元の答案は7!通りとして確率計算してしまっていたので、すべて差し替えました。
<筆者の回答>
第5問
複素数平面に関する問題です。
(1) ①については簡単です(原点中心半径2の円です)。②については2乗して処理しつつz=x+iyを代入するとよいでしょう。
(2) (1)の図から明らかでしょう。
(3)wを極形式で書いてあげると見通しがよくなります。
[3/1追記] 計算ミスがあったので、全面的に差し替えました。
<筆者の回答>