第4弾であるこれ以降は、国公立の2次試験になります。
まずは最難関、東大です。
<概略> (カッコ内は筆者が解くのにかかった時間)
1.2次不等式の解(32分)
2. 面積の不等式を満たす点の存在範囲 (66分)
3. パラメータ表示された曲線の面積 (38分)
4. 2進数の積と和についての問題 (99分 ※結局解けず断念 →後日解けた)
5. 円錐の表面と内部を動く点の作る立体の体積(50分)
6. 三角関数の解の個数(42分)
合計322分 (参考:試験時間150分)
<体感難易度>
易レベル:なし、標準レベル: 1、やや難レベル:2, 3,5,6 、難レベル:4
今年は激難化したといえます(過去で言えば2009年や2010年に匹敵するレベルです)。得点源になりうる平易な問題は1問もない上に解法方針を誤ると一気に泥沼にはまってしまう問題ばかりで、しかも落とし穴もかなりあってかなりしんどかったです。
解くのに5時間かかってしまったのも初手をミスってしまったが故です。
<個別の感想>
第1問
2次不等式の解に関する問題です。
2次不等式の解は基本的に
1. すべてのxで成立、2. 〇<x<△、3. x<〇またはx>△、4. 解なし
の4パターンしかありません。よってx>pと完全一致する場合は相当限られることが分かります。
(1)は「少なくとも一つが負と仮定」、(2)は「すべて正と仮定」してx>pの形にならないことを言えばよいでしょう。場合分けが多く煩雑ですが。
(3)も(1)(2)の延長上でp≠0のとき矛盾が起こることを言えばOKです。
正直この問題ができていないと、後の問題の完答は苦しいかと。
<筆者の答案>
第2問
面積に関する不等式を満たすようなXの存在範囲に関する問題です。
注目ポイントは、△ABCは面積1以外に何の情報もないという抽象度の高さです。
最初座標軸を設定して解こうとしましたが、式があまりにも手に負えないものになってしまいお蔵入りしました。こうした抽象度が高い設定なら、ベクトル使えばいいじゃんと気づくのに30分弱かかってしまいました。
ということでベクトルを使うのが近道です。ベクトルが与えられた時の三角形の面積の公式は導出できるようになっているとよいと思います。AX=bAB+cACなどとおいて、bとcの不等式を導きます。絶対値を使った項が3つでてくるので愚直に場合分けして図に落とします。
あとは中学数学っぽく相似を使って面積を求める形です。
<筆者の答案>
第3問
パラメータ表示された曲線の面積です。
(1)は微分するまでもなく簡単にわかります。
(2)も、f(t)を求めて微分するだけです。 ここまでは確実に解いておきたいです。
本題は(3)です。何のために(2)をやらせているのかを考えてみましょう。
ここではCを回転させるので、Cのうち最も原点から遠い点が、Dの外周を作ることになります。この「Cのうち最も原点から遠い点」を考えるために(2)があったというわけです。
これをもとにDを図に落とせば、Dの通貨領域の面積は
「1/4円+ Cとx軸で囲まれた面積(つまりDの面積)」で求まることが分かります。
面積計算についてコメントすると、基本は「xで積分」ですが、今回のようなパラメータ表示されている場合は「tで微分」で考えたいです。つまりxからtへ置換するという作業をする必要があります。
<筆者の答案>
第4問
2進数の積と和に関する問題です。個人的には今年の最難問だと思ってますし、事実100分粘りましたが、結局解くのを諦めました。
(1)は、意外と愚直に足し算を書き下したほうが解き方が見えると思います。ここでも「掛け算が2^Mとなる場合の数は・・」などと回りくどいことを考えた末に、何回やっても計算が合わず自滅しました笑
(2)はパッと見で何をしたらよいかわからないと思います。fn+1(x)をfn(x)で表現したいようなので、「an,kの漸化式を作ればいいのでは・・」と思い至りました。
それでもって(2)の前半は無事に答えが出せたのですが、後半についてはどう逆立ちしてもアイデアが出てこず、断念しました(涙)
(3)は、(2)の結果を使えば出てくるのでしょう,きっと(白目)。
総じて発想力が肝になる難問だったかと思います。
[3/9追記]
後日また考えてみた結果、 (2)で、an+1,k+1を二通りの求め方をすることで2本の漸化式が立ち、無事解くことができました。(3)は(2)で求めた2つの漸化式を連立すれば解けます。(これを試験場で思いつけというのは、やはり無理難題)。
<筆者の答案>
[3/9追記] 第4問の(2),(3)が後日解けましたので、upします。
第5問
東大の大好きな体積の問題です。
空間座標がでてきたら、とりあえずベクトルを使うことを考えましょう。
Pをsin,cosを使ってパラメータ表示し、線分APを表すベクトル方程式を作るという作戦です。あとはZ=〇となるから、、、という流れで断面が出せます。
(1)は、上記で素直に求まります。
(2)は、基本は同じ流れですがPの高さによって、断面が存在する範囲に制限がかかることに注意です。
また、私が悩まされたポイントは、Pがz=2に限りなく近づいた時の断面の取り扱いについてでした。ここで本当にこれでいいのかと長いこと逡巡した結果50分もかかってます。ここさえ乗り越えれば典型問題です。
<筆者の答案>
第6問
三角関数の解の個数にまつわる問題です。
(2)は、進めていくうちに(1)の形が出てくるのでそれでうまくいきますが、鬼門は実は(1)。
この手の問題はθの入っている部分とそうでない定数部分を分離するのが常套手段ですが、今回に限ってはうまくいきません。なぜかというと、θとθ+αが混在しているため、微分したところで形がより複雑になってグラフの外形が書けないからです。
かといって、sinθ= tとしてtの方程式として処理しようと思っても4次関数となって処理が大変になってしまいます。
なので最後の手段。左辺のグラフと右辺のグラフを直接書いて「ほら、4回交わるでしょ!?」ってアピールする寝技をせざるを得ませんでした。もっとうまい方法がきっとあるんだと思いますが、私には思いつきませんでした。
(2)も(1)を使えばいいとはいえ、論述としてはかなり雑になってしまったかもです。
<筆者の答案>