第5弾は、西の雄、京大です。
<概略> (カッコ内は筆者が解くのにかかった時間)
1.複素数の配置(28分)
2. 二次方程式の解 (14分)
3. 球面上の点の内積 (31分)
4. 3で割り切れる回数 (24分)
5. 4×4のラテン方格(36分)
6. 回転体の体積(26分)
合計159分 (参考:試験時間150分)
<体感難易度>
易レベル:2 、標準レベル: 1,3,4 、やや難レベル:5,6 、難レベル:なし
難易度は去年と大差なさげ。東大とは打って変わってスムーズに解ける問題が多いです。
<個別の感想>
第1問
3次方程式の解(複素数)の配置問題です。
「解をα、β、γとおいて、解と係数の関係を使う」は条件反射でやってほしいですね。
この問題の場合、正三角形を扱っているので、(α+β+γ)/3が正三角形の重心を表しているという事実を使うと見通しが良かったと思います。
正三角形全体を重心分平行移動してしまえば、3点を極形式で書いて・・という処理がスムーズにいきます。
<筆者の答案>
第2問
2次方程式の解に関する問題です。
(1)は解と係数の関係でα+β,αβを出して漸化式を作る。それだけの問題です。
(2)の極限は、sinの中身が無限に発散するのが気持ち悪いのでここを何とかしたいです。このときに、(1)を使ってβの式に変えてしまえば、という発想に至れば勝ちです。
※|α|>1のとき、|β|<1となるので、収束してくれます。
この問題は是が非でも確保したい問題です。
<筆者の答案>
第3問
球面上の点の内積を計算する問題です。
これは、OC=aOA+bOB+dODなどとベクトルの一本を残り3本で表現して
条件からa,b,d,kの連立方程式をつくって解けばおしまいです。
最終的にはkを出したいので、a,b,dをひたすら消すという方針でよいです。
計算ミスにさえ注意すれば、簡単に解けます。
[3/13追記]
上では、無造作にOC=aOA+bOB+dODとおいてしまっていますが、
厳密には、これは「O,A,B,Dが同一平面上にない。」という前提条件が必要です(1次独立性)。これを見落としていました。
逆にO, A, B, Dが同一平面上にあるとすると、OD=sOA+tOBの形で書けて、一つ目の条件と3つ目の条件からk=√3/2となりますが、これは2つ目の条件を満たしません。
ということで、結果論ですが、OC=aOA+bOB+dODと置いたことは正しかったわけです。
答案では、このことを一言書くべきでした。。。すみません。
<筆者の答案>
[3/13追記]
補足情報です。実際はこれを書かないと減点されますね。。
第4問
整数問題です。
B(a)の意味するところは、「aが3で何回割り切れるか」ということです。
3で割った余りを考えたいので、m,nを3で割った余りで場合分けすることになります。
こうしていくと、そもそもf(m,n)が3で割り切れるケースがかなり限られていることが分かります。
上記のレアケースそれぞれに対して、今度は9で割れるか、27で割れるか、81で割れるか、と考えていくことになります。
<筆者の答案>
第5問
4×4のラテン方格への数字の入れ方を数え上げる問題です。見た目のインパクトが凄いです。
まず一番左の1列目を上からa,b,c,dと文字を固定して、2列目以降をどう入れるかを考えていきます。
頭でぐるぐる考えるよりも、実際に書き出してしまったほうがよいでしょう。2列目の入れ方を決めて、3列目の1文字目を決めれば、残りのマスはほぼ自動的に埋まってしまいます。
ここまでくれば、最後はa,b,c,dへの数字の入れかた24通りをかけてフィニッシュです。
このようなマス目は「ラテン方格」と呼ばれるもので、例えば「4つのパラメータを全て変えた実験を行うとき、最小の実験回数で調べるにはどうするか?(実験計画法)」といった検討をするのに利用されます。
<筆者の答案>
第6問
回転体の体積です。
この手の問題は解き方が決まっていて、
「回転軸に垂直な面で切断 → 断面積を積分」です。
今回は、初手のSの方程式を出すところに経験がいるのかもしれません。
z=f(x)をz軸周りに回転すると、xy平面上の点と原点との距離がxに相当するものになるため、
S: z=f(√x^2+y^2)となります。
Sの断面を切ったらそれを回転させるので、Sの断面とX軸との距離を考えれば、回転体の断面はドーナツ型になります。
この問題の積分の難易度は低めです。
<筆者の答案>