ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東大文系数学 1989年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

最終回の今回は東京大学の1989年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東大理系数学 -1989年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

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2つの放物線の共通接線に関する問題です。

 

(1) C1のx=tでの接線がC2にも接するという条件を成立するとtの2次方程式ができます。この方程式が2つの実数解を持つことを示せばOKです。

 

(2) (1)の方程式の解をα, βとおいて、接点4つの座標を全て求めるのが第1歩です。すると、対角線の交点がちょうど対角線の中点になることが分かるので、接点4点からできる四角形が平方四辺形だと分かります。これが分かれば座標計算により面積を計算できます。

 

<筆者の回答>

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第3問

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理系第3問との共通問題で、(2)が文系オリジナルです。

 

(2)については、帰納法で証明するとよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第4問

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正三角形を、向きを変えずに円周上を回したときの通過領域を考える問題です。図形のセンスが必要な難問です。

 

図を描いて考えると、円周と正三角形の接する部分は、頂点か辺になりますので、頂点で接する部分と辺で接する部分で場合分けして考えます。

 

頂点で接するのは、円周の1/3ずつの部分で、接している頂点以外の2つの頂点は曲率半径がrの円を描きます。ちょうど中央の部分は正三角形の1辺そのものが境界になります。

 

辺で接するのは、円周のうち3点だけで正三角形が滑るだけなのでこちらは考えやすいです。

 

図示さえできれば面積の計算はさほど難しくありません。最後にオマケのように極限の問題が付いていますが、これも容易いです。

 

<筆者の回答>

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