このシリーズでは、東大に引き続き、平成の京大理系数学の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
京大の数学の問題も、難易度は高いですが良問の宝庫であり、演習価値が非常に高いです。
(時々、どうしようもなく難易度が高く、筆者の力量でも解けない問題が出てくることがありますが、どうかご容赦くださいm(_ _)m )
6回目の今回は、2014年の問題です。
第1問
空間上の3つの直線の点間の距離について考える問題です。
これは素直に、直線l,m,nをベクトルで表現して、内積0を用いてQ,Rの座標をPの座標で表現すればよいです。
<筆者の解答>
第2問
2つの粒子がn秒後に同じ点にいる確率を求める問題です。
n秒後にA,B,Cにいる確率を文字で置いて漸化式を解きましょう。3つの確率をそれぞれ2乗してから足せば答えです。
<筆者の解答>
第3問
∠B=2∠Aとなるときに、三角形の面積を最大にする∠Bを調べる問題です。
∠A=θとおいたときに、θの満たすべき条件をまず求めましょう(∠Cが存在しないといけない)。
正弦定理などを使っていくと、三角形の面積Sは、S=cosθsin3θとなります。
今、知りたいのはcos2θの値なので、Sをθで微分するときは、cos2θの式で整理すると見通しが良いです。増減表を描くときに、S'の符号に十分注意しましょう。(θが増えるとcos2θは減っていくので、cos2θによる増減表とθによる増減表では、増減が逆になります)
<筆者の解答>
第4問
全てのxについてf(x)が特定の不等式を満たす条件を求める問題です。
まずは、与えられた不等式を解きましょう。3次関数のグラフを描くことにより、
-1<f(x)<1, またはf(x)>2が求まります。これがすべてのxに対して成立する条件を調べることになります。
f(x)のグラフを直接書いて極大値極小値の条件として処理することも原理的には可能ですが、分子が文字だらけなので、f'(x)=0の処理で詰みかねません。
なので、ここは分母を払って、2次不等式として処理するのが賢明でしょう。
<筆者の解答>
第5問
整数問題です。
a,bを3で割った余りで場合分けして、a^3+b^3が81で割り切れる条件を求めましょう。この際に、a^3 + b^3 = (a+b)*(a^2 -ab +b^2)と因数分解して、それぞれの因数を考察すると見通しが良いです。
最終的に、a+bが27の倍数になることが必要十分条件だと分かります。
今回はa^2 +b^2をできるだけ小さくしたいので、a+b=27としてしまいましょう。
ここまでくれば、平方完成を使えば、最小値が求まります。
<筆者の解答>
第6問
双曲線と円で囲まれる領域の面積を求める問題です。
この問題は、問題文に与えられた角度の処理が山場かと思います。
まず、円の半径をr (r>1)として、A(rcosθ、rsinθ)と置いてしまいましょう。この下で、Aがxy=1上にあるという条件と、角度がπ/6になるという条件をtanの加法定理で考えていきます。
最終的にtanθ=2-√3となりますが、これは覚えておいて損はありません。θ=π/12です。
倍角の公式などで求めることが可能です。
ここまでくれば、積分を計算するのみです。
<筆者の解答>