このシリーズでは、東大に引き続き、平成の京大理系数学の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
京大の数学の問題も、難易度は高いですが良問の宝庫であり、演習価値が非常に高いです。
(時々、どうしようもなく難易度が高く、筆者の力量でも解けない問題が出てくることがありますが、どうかご容赦くださいm(_ _)m )
7回目の今回は、2013年の問題です。
第1問
平行四辺形内部の点に関する線分の比を計算する問題です。ベクトルを用いる典型問題です。
全てをABベクトルとADベクトルで表現し、がつがつ計算すれば求められます・
<筆者の解答>
第2問
数列の和に関する不等式を考える問題です。
anの具体的な形をルールに従って求めてあげると、ある値から先は0となることが分かるので、anの和は何処かしらで頭打ちとなります。
ということで、Σanの最大値を考えてあげればよいです。
<筆者の解答>
第3問
多項式の割り算の余りの係数の性質を求める問題です。似たような問題が東大の2002年第2問で出題されています。あれの誘導なしverと考えて頂いてよいです。
aとbを改めてan, bnとおいてあげて漸化式を作ってあげれば、両者が整数であることは分かります。
an, bnの最大公約数については、ユークリッドの互除法を用いることで、a1, b1の最大公約数と一致することが分かります。
<筆者の解答>
第4問
関数の最大値を求める問題です。
テンプレ通り微分して増減を調べるのですが、今回は2回微分までやってあげると先が見えてきます。
f''(x)の正負により、f'(x)の増減が分かるので、f’(x)がいつ0になるのかを調べましょう。
これに基づいてf(x)の増減を調べてあげると、最大値の候補は1か√3π^2/16となりますので、この大小を比較してあげましょう。
まぁ、与えられている不等式が両方ともに「○○より大きい」なので、答えは√3π^2/16の方が大きいことが計算するまでもなく分かっちゃいますが笑
<筆者の解答>
第5問
2つの対数関数と、それらに接する円で囲まれる面積を求める問題です。
「対数関数と円が接する条件→正三角形となる条件」の順番で考えるのは、xの多項式とlogの入った方程式を解かないといけなくなるので、厳しいです。
ここでは、「正三角形となる条件と接する条件」を同時に考えられるように処理したいです。
Aでの接線の傾きはtan○○になる、という形にすれば、正三角形になる条件と接する条件を同時に考えることができ、これを図形的に考えましょう。
なお、円の中心がy軸正にあるのか負にあるのかの配置の違いによって場合分けが生じることに注意です。
<筆者の解答>
第6問
石をコインの表裏に応じて0中心対称か1中心対称かのいずれかに反転させる状況を題材にした確率の問題です。(1)をヒントに(2)を解く形です。
(1)は、高々2回分なので、起こりうる石の移動を全部列挙してしまいましょう。
すると、
A. 表が2回or 裏が2回 →石は動かない。
B. 表⇒裏 →石は+2移動
C. 裏⇒表 →石は-2移動
がわかりますので、Aの起こる確率を求めればよいです。
(2)は、コインを投げる回数が偶数回なので、結局(1)で考えたA,B,Cの3つの状況を考えればよいわけです。
Aがa回、Bがb回、Cがc回起こるとして、満たすべき条件から、これらの値を確定しましょう。
<筆者の解答>