このシリーズでは、東大に引き続き、平成の京大理系数学の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
京大の数学の問題も、難易度は高いですが良問の宝庫であり、演習価値が非常に高いです。
(時々、どうしようもなく難易度が高く、筆者の力量でも解けない問題が出てくることがありますが、どうかご容赦くださいm(_ _)m )
15回目の今回は、2005年の問題です。
第1問
放物線と線分が交わる条件を求める問題です。
本題を言い換えると、x^2 +ax +b = 2x が0<x<1で解を持つ条件 となりますので、
これを軸の位置、判別式、端点に注意して考えていきましょう。
<筆者の解答>
第2問
条件式を満たす指数の範囲を考察する問題です。
定番通り、常用対数を取って変形していきます。
すると、log2/(1-3log2)の値がどうなるかが気になりますので、この値を評価していきます。このとき、f(x)=x/(1-3x)が単調減少なので、f(0.301)<f(log2)<f(0.3011)とできます。
<筆者の解答>
第3問
3つの複素数のなす三角形について問題です。
2つの式から、α+β+γ=0, αβ+βγ+γα=0が言えるので、3次方程式の解と係数の関係を思い浮かべたいところです。αβγ=δ^3 とおくと、α,β,γは、zの3次方程式z^3 - δ^3 = 0の3つの複素数解になります。
これを解くと、z=δ、(cos120°+isin120°)δ、(cos240°+isin240°)δとなるので、
これらが正三角形を作ることが分かります。
<筆者の解答>
第4問
整数問題です。
左辺が3乗-3乗の形をしているので、因数分解を行えば候補が4通りに絞られます。
その4通りについて、それぞれ場合分けして調べましょう。
<筆者の解答>
第5問
cosxと(1-x^2)/(1+x^2)の交点についての問題です。(1)が、(2)を解く上での巧妙なヒントとなっています。
(1)は、C1とC2のグラフを描くことにより、交点が存在することを示せます。
両方が単調減少で、-1<cosx<1, -1<(1-x^2)/(1+x^2)<0が言えるからです。
C1, C2の交点をαとおいて処理をすれば、x=αでのC1の接線のy切片が必ず1になることも分かります。
(2)は、直接示すのは厳しいので、(1)を生かしたいところです。
(1)をヒントにすると、もし交点が2個以上あれば、それぞれのC1での接線のy切片は全て必ず1になりますので、C1の接線のうちy切片が1になるものが1本しかないことが言えれば、交点も1点しかないことが示せます。
最終的に、tsint + cost =1 の解の個数が2kπから(2k+1)πの範囲では1個しかないことを証明します。定数項の1が邪魔なので、2倍角の公式を使うことで定数項をなくして因数分解してしまいましょう。
<筆者の解答>
第6問
列車を3色に塗り分ける場合の数を数える問題です。
問題では、隣り合う車両の少なくとも片方は赤なので、n番目の車両の色によって場合分けしましょう。
「隣り合う車両の少なくとも片方は赤」という条件を満たすn個の車両の塗り方のうち、n番目が赤のものをan通り、n番目が赤でないものをbn通りとして、漸化式を立てて解いていきましょう。
<筆者の解答>