東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、名古屋大学の2017年の問題を取り上げます。
第1問
2つの曲線で挟まれた領域の回転体の体積を求める問題です。
(1)は、素直に接線の式を計算すればよいでしょう。
(2)微分をして増減を調べるだけです。
(3)tでの積分をsでの積分に変換すればOKです。∫s^2logs dsは、部分積分を使ってlogsを消してしまいましょう。
<筆者の解答>
第2問
正方形上の点の移動を考える確率の問題です。
(1)(2) 4つの状態の移りあい方を考えて漸化式を立てましょう。偶奇による場合分けが発生することに注意です。
(3)Aに戻ってくる直前はB, D, Eのどれかにいないといけないので、sm = 1/3*p2m-1 と書けます。
(4)最初にAに戻ってくるのが2k回目だとします。
そのとき、2k+1回目から2m-1回目までAに一度も戻らず2m回目にAに戻ってくる確率がsm-k と書けることに気づけると大きく前進です。
よって、tmはsk*sm-kの合計となりますので、smと大小比較を行いましょう。
<筆者の解答>
第3問
空間内の直線と円との交点に関する問題です。
(1)は、式に代入するだけです。
(2) (1)のQが球面上にあるので、Qの座標を球面の式に代入してできるtの2次方程式が実数解を2つ持てばよいです。その条件を処理しましょう。
(3) (2)の実数解に、さらに両方とも1未満という条件が追加になります。軸と端点について考察しましょう。
<筆者の解答>
第4問
複素数の集合に関する、創作問題です。
(1)1と-1が条件3つをすべてクリアしていることを確かめましょう。
(2)zが1,-1以外の時、zと1/zは必ず違う数になるので、1つのzに対して必ず1/zがペアになります。
(3)1, -1以外の2つの数をα, 1/α としてαを求めに行きます。このとき、1/α = -αでないと不整合になります。
(4) (3)と同じように、1, -1以外の4つの数をβ, 1/β, γ, 1/γ としてβ, γを求めに行きます。このとき、(3)と被らないようにすると、β=-γかβ=-1/γ に限ります。
(3), (4)の結果から、おそらく、nが一般の場合は、1のn乗根をn個並べたものがMになるんだと思います。(証明はしていませんが)
<筆者の解答>