ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大理系数学 -2019年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の2019年の問題を取り上げます。

 第1問

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平面に下した垂線の足についての問題です。至って標準的な典型問題です。

 

(1)PQベクトルとαが垂直になるので、PQベクトルとOAベクトル、PQベクトルとOBベクトルがそれぞれ内積0になります。

 

(2)OQ = sOA +tOBと書けたときに、0≦s+t≦1となることが、Qが△OABの内部にある条件です。

 

<筆者の解答>

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第2問

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2連続の自然数の積の最大公約数に関する問題です。誘導が丁寧なので、これに従って解いていきます。

 

(1)は、nとn+1のどっちかは偶数なので明らかですね。

 

(2)nとn+1は互いに素なので、n(n+1)が8で割り切れるとき、nとn+1のどっちかが8の倍数でないといけません。しかし、このとき(n+3)(n+4)は8で割り切れません。

 

(3)は(2)と同様に、n(n+1)がpの倍数のとき、nかn+1のどっちかがpの倍数になりますが、このとき(n+3)(n+4)はpの倍数になりません。

 

(4)は、(1)から(3)を使うと、dnを素因数分解した結果は2と3の積になり、かつ2は2個以下になることが分かります。(2)と同じように考えれば、dnは9で割り切れないことが分かるので、3の個数は1以下です。

dn=12となる例は、具体的に調べればOKです。

 

<筆者の解答>

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第3問

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分数関数に関する問題です。やることは単純ですが、計算量がやや多めの問題です。

 

(1)は、f(x)を微分して増減表を描けばOKです。

 

(2)はMの座標を頑張って計算しましょう。解と係数の関係を使ってα+β、αβを計算しておくと計算が楽になります。

<筆者の解答>

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第4問

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カードの番号の大小を競う、確率の問題です。Bが少し欲張りで引き直しをする設定のようです。

 

(1)mが2以下のときと、3以上のときで場合分けが生じます。

 

(2)Aが得点lになる確率を計算して、Σ計算を行いましょう。(1)と同様にm=1,2のときだけ例外扱いになることに注意です。

 

<筆者の解答>

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第5問

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積分で書かれた漸化式の問題です。関数の形と係数の値から、フーリエ変換を背景にした問題だと思われます。

 

(1)まずは、fn+1(x)をan, bnで表現しましょう。そしてan, bnの式にfn(x)を代入して漸化式を求めていくお馴染みの流れです。

 

(2)与えられたcnの漸化式が一個飛びなので、偶奇による場合分けが発生します。

 

(3)an, bnが定数になる時、cnも定数となるため、(2)の結果からa1=b1=1が言えます。

 

<筆者の解答>

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