ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大理系数学 -2018年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の2018年の問題を取り上げます。

 第1問

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ベクトルの計算問題です。

 

これは定義通りに素直に計算するだけの易しい問題です。(3)の最小値は、平方完成で求まります。

 

<筆者の解答>

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 第2問

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複素数の方程式を考える問題です。

 

(1)は、zを極形式r(cosθ+isinθ)で書いて、rとθの条件を求めればよいです。

 

(2) (1)でzの条件が実数か、絶対値が2の虚数かの2択だと分かったので、それぞれで場合分けして検討です。

 

<筆者の解答>

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 第3問

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2,0,1,8を使ってできる4桁の整数が9で割りきれるかを検討する確率の問題です。

 

(1)は、常識ですね。a+b+c+dを無理矢理作ると、残りの部分が9の倍数になります。

 

(2)(3)は、2枚ある同じ数字のカードを「区別して」数えないと上手くいきません。

取り出し方の総数の計算式8C4は、カードを全て区別した時を想定しているので、前提条件を合わせないと確率が正しく計算できないからです。

 

(2)は、数の組み合わせが0018, 0288, 1188の3パターンで、それぞれのカードの組み合わせの取り出し方を数えます。

 

(3)は、「nが18の倍数になる確率」を「nが偶数になる確率」で割ることで求まります。nが奇数になるケースの方がレアケースなので、そちらを計算した方が楽です。

 

<筆者の解答>

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 第4問

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点の存在条件を考える問題です。ある意味、本セット最難問です。

 

(1)は、与えられた不等式を処理すれば求まります。

 

(2)は、ある意味難問です。というのも、イメージはできても記述するのが難しいからです。

条件を満たすQの存在領域とDとが共有部分を持つpの条件を求めれば良いのですが、Qの条件がpの二次式になっているために、そこからの計算処理が困難です。

 

ここは苦肉の策ですが、Qの条件式のx折片とy折片の動き方に注目して、イメージを書くしかないでしょう。。大丈夫なんかな、、?

 

<筆者の解答>

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 第5問

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2つの曲線で囲まれる面積を考える問題です。

 

(1)は、微分して調べるのもありですが、グラフを描いてしまえば視覚的に示せます。

 

(2)は、ルートが入っているせいでこのままの形で微分しても形がきれいにならず、少し工夫が必要です。

今fとgはともに正なので、π/2を足しても大小関係は変わらず、それを2乗しても大小関係は変わりません。これに気付ければ邪魔なルートを消す事ができます。この状態で微分して調べましょう。

 

(3)は、典型的な面積計算です。

 

<筆者の解答>

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