東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、九州大学の2015年の問題を取り上げます。
第1問
2つの放物線と直線で囲まれる面積を求める問題です。
(1)lと2つの放物線を描いてみると、lがC1の接線になっているときがaの限界値になることが分かりますので、そのときのlの傾きを求めましょう。
(2) (1)で立てた2次方程式を利用すれば、1/6公式により面積計算ができます。
(3)同様の手順でS2を求めてあげます。すると、S1=S2はかなり複雑な方程式となり、解はキレイに求まりません。
よって、y=S1のグラフとy=S2の交点が0と1/5の間にあることを示しに行きます。S1, S2をaで微分してグラフに落とし込みましょう。
<筆者の解答>
第2問
級数の評価問題です。
(1)はxで微分して負になることを言えればOKです。
(2)は、1/xがlogxの微分だと気づければ、置換積分でうまくいきます。
(3)は、Σ1/kを評価するときによく使う、グラフの面積と短冊の面積の大小比較を行います。このグラフの形状を(1)で、面積を(2)で計算していたというわけです。
<筆者の解答>
第3問
半球による太陽光線の影についての問題です。
(1)影は、太陽光線が半円の接線になっているときに、光線・半円・x軸で囲まれるエリアになります。
(2) (1)でkを動かしてあげれば、xy平面に映る影になります。
(3)影の部分の体積は「光線・半円・x軸で囲まれるエリア」の面積を、kで積分したものになります。
<筆者の解答>
第4問
確率の問題です。
赤の個数で状態を分けて、それらの移りあいをまずは考えましょう。
(A: 赤3個、B:赤2個、C:赤1個、D:赤0個)
(1)2回目でコインをもらうのは、B→C→Dとなる場合だけです。
(2)遷移図から、これは明らかだと思います。
(3)8回目で初めてコインをもらうのは、7回目まで一度もDにならず8回目で初めてDになる場合です。この確率を求めましょう。
漸化式を使って解く方法と、経路を全調査して確率を直接計算する方法の2択がありますが、今回はどちらでもOKです。
(4)8回までにコインを一枚だけもらっているのは、8回までに1回だけDになることですので、経路を全調査して確率を直接計算するのが確実です。
<筆者の解答>
第5問
整数問題です。非常に誘導が丁寧ですので、うまく乗っていきましょう。
(1)は結局2^nを3で割った余りを求めればよいので、2^n = (3-1)^nを考えればよいでしょう(合同式です)
(2)ユークリッドの互除法を使うと、2と奇数の最大公約数を求めるのと同じことになります。当然これは1です。
(3)がこの問題のメインパートです。
まずは、左右の偶奇を比べると、左辺は必ず奇数になっています。よって、pとqがともに奇数であることが分かります。
pが奇数であれば、(1)の結果から左辺は3の倍数です。よってpとqのどっちかは3になります。p=3の時はq=1となって不適なので、q=3, pが5以上で確定です。
p-1は偶数なので、2m=p-1とすると、左辺は2^m -1 と2^m +1の積に因数分解できます。これらは(2)より互いに素なので、2^m - 1と2^m +1の候補が絞られます。
あとは個別に調べていきましょう。
<筆者の解答>