ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大理系数学 -2013年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の2013年の問題を取り上げます。

第1問

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三角関数の囲む面積を考える問題です。

 

(1)連立すると、tant=a/bが分かるので、これをcost, sintに変換します。

 

(2)C1, C2をグラフに描けば、単純な面積の計算問題です。

 

(3)Tも同様に計算できます。

<筆者の解答>

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第2問

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一次変換の問題です。

 

(1)f,hの式は、教科書レベルです。

 

(2)P(a,b)がP'(a', b')に移るとしたときの関係式を求めます。y=cxについて対称な時、PとP'の中点がy=cx上にある、PP'がy=cxに垂直という2条件を満たします。

 

(3)f・gを具体的に計算して、hの行列と一致すればよいです。

 

<筆者の解答>

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第3問

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複素数の実部・虚部の動く範囲を考える問題です。

 

(1)これは単なる計算なので、計算するのみです。

 

(2) (1)を使って、s,tの条件をx,yの条件に言い換えましょう。

 

(3)k=-5x+y として、直線k=-5x+y がDと交点を持つ条件を考える、「線形計画法」の問題です。

 

<筆者の解答>

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第4問

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4で割った余りによって点の動きが変わる状況を考える、確率の問題です。

 

全体を通じてですが、各方向に動く確率をまずは全部求めてしまいましょう。

 

(1)Xが4で割り切れる確率です。

 

(2)3回投げて(2,1)にいるためには、X≣2が2回、X≣3が1回発生しないといけません。

 

(3)X≣0がa回、X≣1がb回、X≣2がc回、X≣3がd回発生するとして、a~dを求めましょう。

 

<筆者の解答>

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第5問

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積分で書かれた関数についての問題です。いわゆる「畳み込み積分」と呼ばれるタイプの積分です。

 

(1)x-t =s と変数変換すれば示せます。

 

(2) (1)の式をxで微分すればよいです。F(x/2)は、微分する度に1/2が掛け算されることに注意します。

 

(3)F(x) = ax^3 +bx^2 +cx +dとおいて、(2)などを使ってa~dを決めましょう。

 

<筆者の解答>

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