東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、名古屋大学の2009年の問題を取り上げます。
第1問
双曲線と円が接する条件を考える問題です。
(1)双曲線の接線と円の接線を両方求めて、係数比較して解きます。
(2)正三角形となる条件はr=2sとなることなので、この関係式をaとbの関係式に書き換えていきます。aが存在すればrは必ず存在するので、実質aが存在する条件を考えればOKです。
計算を進めると、a^2 = ○○の形になるので、右辺が0以上となればよいわけです。
<筆者の解答>
第2問
積分で書かれた関数についての問題です。
(1)f'(x)が容易く求まるので、これを利用してg'(θ)を計算します。fの中身がsinθ,cosθなので、微分した際には、合成関数の微分により、それぞれcosθ、-sinθをかける必要があります。また、θの値により√の外れ方が変わるので、場合分けが必要です。
(2) (1)で求まった式をそれぞれ積分します。f(x)の式を使いながら、積分定数の値をそれぞれ確定させていきます。
(3) (2)の答えを丁寧に図示してあげましょう。
<筆者の解答>
第3問
行列を使ったベクトルの漸化式の問題です。
(1)は単なる計算問題で、直接計算するのも良いですが、ケーリーハミルトンの定理を使って計算する方がミスなく行けると思います。
(2) (1)の結果を使いながら、漸化式に沿って計算しましょう。
(3)この問題のメインパートです。
(1)の結果から、A^nが計算できるので、an, bnの方は比較的容易く求まります。
cnの方は、ある程度規則性を見ないと分かりずらいです。3連続同じ数字が並んで、nが1,4,7・・の時に値がジャンプすることに着目して考えていきます。
<筆者の解答>
第4問(a)
第4問は(a), (b)の選択問題となっていて、(a)の方は確率の問題です。この年は、(a)の方が圧倒的に楽なので、こちらを選んだほうが正解だったと言えましょう。
(1)2回分の積の一の位は、
・0 ⇒5×偶数
・1⇒1×1
・2⇒1×2, 2×6, 3×4
しかありえませんので、それぞれの場合を考えましょう。
(2)一の位が1になるのは、
一の位7 ⇒3が出る
一の位1 ⇒1が出る の2パターンしかありません。
(3)一の位が5以外の奇数になる確率です。これは、1,3,7,9しか出ない場合に実現します。
(4)一の位が5になるのは、奇数しか出ずかつ少なくとも1回5が出るときです。(3)が使えます。
<筆者の解答>
第4問(b)
選択問題の片割れで、(b)の方は整数問題となっています。
(1)両辺に4xyをかけて、積の形を作って考える典型問題です。
(2) (1)と同じように考えると(x,y)の組が複数求まりますので、それぞれについて2x+3yを計算します。この中で最小値になりえないものをバッサバッサと消して考えていきます。最終的な最小値の候補の吟味が若干面倒です。
<筆者の解答>