東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の2007年の問題を取り上げます。
第1問
2つの円に関する問題です。
(1)円が接する条件は、中心間距離が、半径の和ないし差になっていることです。
求める円は2種類出てきます。半径の小さいほうをD1, 大きいほうをD2とします。
(2)は、円周角の定理を使って考えてあげるとよいです。∠APOが最大となるのはPがD1上にある時、最小となるのはPがD2上にある時です。
<筆者の解答>
第2問
場合の数と確率の問題です。
(1)
(ⅰ) j=1の時は、a1=a2=・・・=an=1 の一通りのみです。j=2の時は、途中までは1で、それ以降は2になる場合です。
(ⅱ)j=3,4の場合は、an-1の数字が何になるかで場合分けして考えることができ、漸化式を立てることができます。
(2)an-1は2以上で確定なので、anがan-1の値に応じて何通りありうるかを考えます。当然(1)の結果を使うことができます。
<筆者の解答>
第3問
面積と体積の極限を計算する問題です。
(1)(2)ともに、Sn, Vnを素直に積分で求めて極限を取る形になります。(2)は(1)の結果を使うと大分楽に解けます。
<筆者の解答>
第4問
三角屋根の家の空間効率を最大化する問題です。趣旨としては、少ない壁と屋根の材料で、できるだけ空間を広げた家の設計の仕方を考えよということです。
(1)体積はともかく、表面積の計算なんて小学生以来ではないでしょうか。展開図を想像して扇形のうちどれだけの部分になるかを考えることになります。
(2)では、いわゆる予選決勝法を行っています。
Vとaを固定すると、bとcの関係に縛りができますので、どちらかを消去して考えます。
その後、aを動かして考えていきます。
<筆者の解答>
第5問
焦点が一致する楕円と双曲線の性質を証明する問題です。半ば知識問題の様相を呈しています。
楕円の焦点座標は、α≧βなら、(±√(α^2-β^2), 0), α≦βなら、(0, ±√(β^2-α^2) )と表せます。一方で、双曲線の焦点は、aとbの大小関係によらず(±√(a^2+b^2), 0) と表せます。
この知識を覚えていないと正直厳しいと思います(その場で出せないことはないでしょうが、時間がかかります)。
このことから、a, b, α, βの満たすべき条件が求まります。
次に楕円と双曲線の交点の座標を求めて接線の式をそれぞれ求めましょう。交点は、対称性から、第1象限のものだけ考えれば十分です。
<筆者の解答>