ちょぴん先生の数学部屋

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平成の九大理系数学 -2005年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、九州大学の2005年の問題を取り上げます。

第1問

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直線とsinカーブに纏わる回転体の体積の問題です。

 

(1)接点のx座標をtとすると、f(x)=x+aとg(x)=2sinxについて、f(t)=g(t)とf'(t)=g'(t)が同時に成立します。

 

(2)グラフに描いて、素直に積分計算です。円錐の体積の知識を使えると積分の計算量が減らせます。

 

<筆者の解答>

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第2問

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行列を使ったベクトルの漸化式の問題です。

 

(1)は単なる計算問題です。

 

(2)漸化式から(1)を引くと、bを消去できます。

 

(3)A^nは、帰納法で求めてもよいし、今回の場合は2項定理でも求めることができます。

 

(4) (1)~(3)ができていれば簡単です。

 

<筆者の解答>

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第3問

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複素数の軌跡を求める問題です。

 

(1)は教科書レベルでしょう。判別式<0です。

 

(2)zの実部をx、虚部をyとしてtを消去しましょう。

 

(3) (2)の結果から、z=(cosθ-1) +isinθと書くことができますので、最数的にθが消えるように計算をしましょう。wの実部と虚部のとりうる値の範囲には注意です。

 

<筆者の解答>

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第4問

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ガウス記号付きの不等式を解く問題です。

 

ガウス記号のついた部分は整数であり、その中身の値には範囲があるので、自ずとガウス記号の整数の取りうる値に限りが出てきます。

 

(1)~(3)とも、それを念頭に解いていきます。(3)ではいくつか場合があるので、個別に調べます。

 

<筆者の解答>

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第5問

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(筆者注:直線x=a^2)

面積の増減について調べる問題です。

 

(1), (2)ともに教科書レベルの処理です。

 

(3) S(a)は単調増加なので、S(2)<1.35<S(3)を証明します。幸い、与えられているネイピア数の評価式が2.5<e<3と手計算しやすい値になっているので、電卓なしで何とかなります。

 

<筆者の解答>

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