東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、東北大学の2003年の問題を取り上げます。
第1問
行列の計算問題です。
(1)A^2を素直に計算しましょう。
(2)A^4=Eとなるときのα~δを求めます。
(3)A^2=-Eは(2)で考えているので、BA=-ABを考えましょう。
A^2=-Eとなるので、A^nは4周期で変化しますので、A^mBA^nを表でまとめてしまうとよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
三角関数の最大最小を考える問題です。典型問題ですが、(1)が意外に難しいかもしれないですね。。
(1)3倍角を考えるので、とりあえずtを3乗してみるのが定石でしょう。ですが、これでうまくsinθが消えてくれるか不安ですね。。
そこで、答案では一工夫しました。tを合成してcosだけの式に書き換えると、角度を3倍するとπが登場してうまく消せる角度となります。
(2)cos3θ以外の残りの部分もtで表現できるので(こっちは簡単に求まります)、まとめるだけです。
(3)結局tの3次関数の最大値と最小値を考える問題となります。ただし、tの取りうる値の範囲に注意しないといけません。
<筆者の解答>
第3問
一般項が計算できない数列の極限の問題です。
(1) 前半は帰納法で、後半は、an+1^2 -an^2を計算して示します。
(2) 2-an+1 を計算して、無理やり2-anを括りだしてあげましょう。
(3) (2)を使ってはさみうちの定理に持ち込みます。
<筆者の解答>
第4問
体積の問題です。
(1)これは方程式を使うよりも、相似などの図形の性質を使ったほうが簡単に解けます。
(2) PQをx軸の周りに回転してできる領域が、立体の断面になります。
断面は同心円のドーナツ型となり、内径は(1)で求めた距離になりますが、外径はuの値による場合分けが必要になります。
<筆者の解答>
第5問
複素数平面の問題です。この問題は方針が立てづらい難しめの問題です。
複素数が円周上にあるという条件を処理する方法は、
・|z-t| = rという円の式を3点がすべて満たす。
・3点のうち2点の垂直二等分線が一点で交わる・・
といった攻め方がありますが、悩んだ末、前者でうまくいきました。
1とαが|z-t| = r上にあるという条件から、tをαで表現することができます。
このtについて、|α^2-t| = r も成立するという条件から、αの存在範囲を決めることができます。
<筆者の解答>
第6問
関数の増減、極限、解の存在範囲を考える問題です。
(1) f(x)を微分して増減を調べるのですが、一回微分しただけではlogが残ってしまうので、微分が2回必要です。
結果、f'(x)が単調増加なことが分かるので、x→∞でのf'(x)の値と比較すればよいでしょう。
実は全く同じ問題が、2019年の東工大の第5問(1)で出題されています。
(2) 素直な極限計算です。ネイピア数の定義が登場します。
(3) (1)でf(x)が単調減少なことを示しているので、f(x)=2の解をαとしたとき、
f(1)<f(α)=2<f(1/e^2)を証明すればよいです。
<筆者の解答>