東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、九州大学の1996年の問題を取り上げます。
第1問
1次変換の問題です。
(1)あらかじめfを表す行列を計算しておきましょう。その行列をOPベクトルに掛け算すればよいでしょう。
(2)点(t,t)をfで移したとき、その点もy=x上にある条件を求めます。
(3) 適当な点R(a,b)をもってきたときに、Rがfによって移る点をR'とします。線分RR'の垂直二等分線が、aとbによらずに決まることを証明しましょう。
<筆者の解答>
第2問
球と平面の交線について、および平面のなす角を考える問題です。
(1)は、Pの座標が(1/√3, 1/√3, 1/√3)だと固執すると、Cが斜めってしまって却って難しくなってしまいます。ここは、Pが球面上の任意の点だとして、Cが水平になるように回転させて考えたほうが良いでしょう。
角度の関係性は、回転しようが影響をうけませんので。
(2)2つの平面のなす角は、各々の法線ベクトルのなす角に等しいので、これを利用します。
(3)αの法線ベクトルを文字で置いて(2)と同様に考えます。
<筆者の解答>
第3問
不等式証明の問題です。
(1)図に描けば、求める面積は台形となります。
(2) (1)で書いた図から、台形の面積Sは、その区間におけるy=logxの面積Tより常に大きいことが分かります。あとは、両辺を足し上げましょう。
(3) (2)を利用して考えます。
<筆者の解答>
第4問
1-9の数字を3つずつのグループに分ける確率の問題です。場合の数を調べるときに、ダブり具合を確認しないといけない問題です。
(1) 4が取り出されるためには、4を含むグループの残り2枚が5以上でないといけません。そのような場合の数を考えます。
ここで注意しないといけないのが重複度です。
たとえば、(A, B, C, D)の4つを2個ずつに分ける方法が何通りかを数えるときに、
「4つから2個を選べばいいから4C2=6通り」とやるとNGです。
AとBを選んでできる分け方と、CとDを選んでできる分け方が全く同じとなり、同じものを2回数えてしまっているからです。
よって、6÷2 =3 通り が正解です。
このように、グループ分けする個数が同じになっているときは、グループ数の階乗で割り算して、ダブりを除外しないといけないのです。
(2)4が最大値になるときは、(1)に加えて、残り2グループから、3以下が選ばれないといけないので、5以上が1グループに固まってはいけないわけです。
ここは、「4、5以上2個」「5以上3個」「3以下3個」という余事象の方がレアケースなので、そちらの場合の数を考えればよいでしょう。
<筆者の解答>
第5問
2進法表記の数字の構成方法に関する、風変わりな問題です。(1)(2)は独立した問題となっています。
(1)問題文だけでは何を言っているのかわからないと思うので、実際にC3, C4, C5, C6を作ってみましょう。
すると、nが奇数の時は、先頭の1以外は101の繰り返し、nが偶数の時は、末尾の10以外は101の連続になることが分かりますので、これを帰納法で証明します。
(2)cnに含まれる0の個数anと、1の個数bnについて漸化式を立てて解きましょう。
<筆者の解答>