ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大理系数学 -1989年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、北海道大学の1989年の問題を取り上げます。最終回です。

第1問

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球の断面の正射影を求める問題です。いきなり難しい問題です。

 

図に描いて考えてみると、AはSを平面で切った断面(円)になります。よって、Aの乗っている平面の式を求めましょう。

 

これを使うと、A上の点を1文字のパラメータで表現できます。

 

xy平面への正射影は、x,y座標はそのままにz座標を0にしたもの、xz平面への正射影は、x,z座標はそのままにy座標を0にしたものになります。

 

<筆者の解答>

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第2問

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三角関数の倍角の公式に関する問題です。

 

(1)5倍角の公式を頑張って導出する方法もアリですが、ここは5/2θ= 2θ+1/2θと分解して2倍角の公式だけを使って処理できるようにするとよいでしょう。

 

(2) 2曲線が交わるようなcosθをaを用いて求まるので、-1<cosθ<1となるaの条件を求めましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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複雑な関数の性質を調べる問題です。

 

(1) f'(x)=1となるxが1つしかないことを示します。f'(x)=○○+1にして、○○の部分が0になる条件を考えます。

 

(2) f(x)が下に凸な関数なことを証明すればよいので、f''(x)を調べます。

 

(3) 複雑な積分計算ですが、部分積分を駆使して地道に計算しましょう。

 

<筆者の解答>

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第4問

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積分で書かれた関数についての問題です。

 

(1)x-aをかけてxで微分すればよいです。

 

(2) (1)から、f(x)≧g(x)が言えればよいのですが、発想が要ります。

ここは、g(x)の式にx-aをかけたものが、面積を表現しているを解釈して、面積の大小関係から攻略するとよいでしょう。

 

(3) g(x)を消去して微分方程式を解きます。

 

<筆者の解答>

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第5問

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確率の問題です。

 

(1)表がA回、裏がB回出た結果Xn=kとなるとして、A, Bをn,k,a,bで表現しましょう。

 (正直、a,bと一般的な文字で置く意味が分からないですね。。最初から(2)みたく具体的な数にすればいいのに)

 

(2)a=2, b=1, n=3のとき、kとして取りうる値を調べて、確率分布を出ししょう。階乗の中身が整数になることが条件です。

 

<筆者の解答>

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