ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の名古屋大理系数学 -1989年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、名古屋大学の1989年の問題を取り上げます。最終回です。

第1問

f:id:stchopin:20210902141832p:plain



2次関数と対数関数が接する条件を求める問題です。

 

(1)接点のx座標をx=tとしたとき、y=f(x),y=g(x)が接する条件は、f(t)=g(t)とf'(t)=g'(t)が同時に成立することです。

 

(2) 図を描いて積分計算しましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200724091008p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20210902141850p:plain



体積の問題です。本セット最難問です。

 

まず、F1, F2がへんてこな位置にあると計算が手に負えなくなってしまいます。ここはF1, F2をx軸上に固定して考えてしまいましょう。

 

このとき、P(X,Y,Z)とおいて、条件(ⅱ)を処理していきます。なかなか大変ですが、うまく工夫して式変形していきましょう。

 

そうすると、考える立体が、ラグビーボールの内側かつ半径rの球の外側になることが分かります。

 

求まったラグビーボールの対称性から、平面x=tによる断面を考えると見通しが良いでしょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200724091032p:plain

f:id:stchopin:20200724091053p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20210902141912p:plain



1次変換についての問題です。

 

(1)Aを文字で置いて、問題文の条件を丁寧に処理していきましょう。

 

(2) Pn (xn, yn)の漸化式を作ってxn, ynを求めましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200724091119p:plain

 

第4問(a)

f:id:stchopin:20210902141934p:plain



確率の問題です。

 

(1)表が連続せずn回目が表になる出方をAn通り、同じくn回目が裏になる出方をBn通りとして、An,Bnの漸化式を立てて考えましょう。

 

(2) (1)からフィボナッチ数列が登場するので、順繰りに求めていきましょう。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200724091143p:plain

 

第4問(b)

f:id:stchopin:20210902141958p:plain



等面四面体についての証明問題です。

 

AB=CD, AC=BD, AD=BCのとき、四面体の4つの面は全て合同になります。このような四面体は、直方体から切り出して作ることができます。

 

もし面が鋭角三角形でなければ、そんな直方体が作れないことを示します。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200724091208p:plain