ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋数学 1997年

文系数学の最難関、一橋大学の1997年の問題を取り上げます。

第1問

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整数問題です。

 

いきなりすべてのnで考えるのは厳しいので、n=1,2を代入してaとbを確定しましょう。

 

ここで求まったa,bについて、n≧3でも16の倍数になることを証明します。

 

<筆者の解答>

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第2問

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円と放物線の共通接線が直交する条件を求める問題です。

 

接点のx座標をtとして、放物線の接線の式を求めて、それが円の接線にもなるtの条件を求めましょう。

 

するとt^2についての2次方程式になるので、rの値によってtの個数が変わってくるので、各々について直交するものがあるか調べましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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放物線の直線に関する問題です。

 

(1) 両者を連立してできるxの2次方程式が異なる2実数解を持つので、aによらず判別式が正となるkの条件を求めます。

 

(2) 1/6公式を使って面積をk,aを使って書いて、aについての恒等式になる条件を考えます。

 

<筆者の解答>

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第4問

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確率の問題です。

 

この手の「戻すことなく1個ずつn回次々引いていく」設定では、同時にn個引く、と読み替えて解くことができます。

 

よって、19個からn-1個を同時に取り出したときに、その中に赤が2個含まれていて、かつ残りの19-(n-1)個から1個取り出したときにそれが赤である確率がpnです。

 

pnが求まったら、pn+1/pnで比を取ってpnの増減を調べましょう。

 

<筆者の解答>

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第5問(a)

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複素数平面上の正三角形について考える問題です。

 

(1) 条件(ア)を使うと、z2はz1を(長さを度外視すれば)120°回転したものとなるので、

z2/|z2| = α^2* z1/|z1|と書くことができます。 これを使えば係数比較によりp,q,s,tを求めることができます。

 

(2) 正三角形という条件をどう処理するかが分かれ目になると思います。

最初、辺の長さが等しいという条件を処理しようとしましたが、えげつない式になって頓挫しました。。

ここでは、図を描いてベクトルチックに角度の関係から解くことにしました。

z1とz2の中点をwとすると、z1-wを90°回転して長さを√3倍すればz3-wとなることが分かるので、これを使ってごりごり計算します。ありがたいことに、複素平面上での90°回転は「iをかける」だけで実現します。

 

<筆者の解答>

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第5問(b)

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この問題、先ほどのA問題と同じ設定の問題を、今度はベクトルと行列を使って解く問題になっています。

 

よって、複素数の言葉で書かれていた設定が、行列とベクトルの言葉に置き換わっているだけなので、基本的な解き方は、A問題と変わりません。

 

<筆者の解答>

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