文系数学の最難関、一橋大学の1996年の問題を取り上げます。
第1問
整数問題です。
(1)a<bなので、bは9以上でないといけないことが分かります。よって、b=9のときに、aがきちんと求まるかを考えます。
(2)こちらも、cが10以上でないといけないことが分かるので、c=10の時にa,bが求まるかを調べます。ダメだったらc=11を試します。
<筆者の解答>
第2問
1次変換についての問題です。2020年現在では、理系ですら高校の教科書から消えてしまった話題なのですが、20年前は文系でも範囲だったんですね。。
(1) fを表す行列を文字で置いて、問題文の条件から、fの条件を絞り込んでいきましょう。
(2) (1)での考察から、P,Q Rの座標が求まるので、△PQRが二等辺三角形になる条件を求めましょう。頂角がP, Q, Rになるのかできちんと場合分けしましょう。
<筆者の解答>
第3問
円が放物線と2点で接する条件を考える問題です。
(1)接点のx座標は、y軸対称性からx=±t (t>0)と書くことができます。このとき、円の式と放物線の式を連立してできる4次方程式が、(x-t)^2*(x+t)^2 = 0と因数分解されるはずなので、係数比較して考えましょう。
(2) (1)での考察から、すぐに求まります。
(3)図を丁寧に描いて面積を計算しましょう。
<筆者の解答>
第4問
三角錐とその回転体の体積を考える問題です。(2)はなかなか厳しいと思います。
(1) 辺の長さを眺めると、三角錐の4つの面のうち、△ACD以外の3つの面が全て直角三角形になっていることに気が付きます。
よって、底面を△ACD, 高さをABとして体積を計算することができます。
(2)は空間認識能力が問われたかと思います。辺の長さがうまく設定されていたから助かったものの、一歩間違えれば理系でも完全にお手上げの問題になっていました。。
気持ちとしては、辺ABが回転されても同じ平面に乗っていると嬉しい(2つの錐体の足し算で計算できる)ので、試しに、Bから辺CDに垂線をおろして交点をMとしてみます。すると、AMもCDに垂直なことが分かるので、△ABMが回転軸に垂直なことがわかります。
これを使うと、何度回転するのかといった情報も分かるので、錐体の底面の面積さえわかってしまえば体積が計算できます。
もし、△ABMが回転軸に垂直じゃなければ、完全にお手上げでした。。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題で、確か京大に似たような過去問があったはずです。
(1) AとBをひたすら往復する場合を考えればいいわけです。
(2) Dを訪れない確率から、CもDも訪れない確率、BもDも訪れない確率(要するにpn)を引けばよいでしょう。
(3) 全体から、「2頂点だけ訪れる確率」と「ちょうど3頂点訪れる確率」を引き算する形になります。ここで(1)(2)の結果がうまく使えます。
<筆者の解答>