私立最難関の一角、早稲田大学の理工学部の問題を取り上げます。今回は2013年です。
第1問
放物線と、その焦点を通る直交した2直線の交点についての問題です。
(1)l2の式がx=-(1/a)y+p となるので、まずはa≠0となることを断っておくべきでしょう。a=0だとすると、l1はCと1点でしか交わらず不適です。
するとy1, y2の満たすyの2次方程式が作れるので、要求されている2つの値が求まります。
(2) P1P2とQ1Q2をそれぞれ計算しましょう。
<筆者の解答>
第2問
複素数を使った数列の問題です。
(1) |z|が5となることを利用します。
(2)an, bnの漸化式を立ててbnを消去しましょう。
(3) anの中に5の倍数が含まれていると仮定して、背理法を使いましょう。
(2)の漸化式から、あるnで5の倍数となるとすると、a1, a2,・・・,anのすべてが5の倍数となってしまい矛盾します。
(4) (1)の結果と(3)の結果を使うと、bnもまた5の倍数にならないので、絶対にbn≠0ですね。
<筆者の解答>
第3問
関数の最大値を求める問題です。
(1) g'(x)を計算して、その取りうる値の範囲を調べてみましょう。最大値を持つためには、g'(x)の正負が切り替わるポイントがないといけません。
(2)素直にh'(t)を計算して増減を調べましょう。
<筆者の解答>
第4問
立体の断面積と体積を求める問題です。
(1)相似な直角三角形がいくつも出てくるので、頂角の1つをθとして三角比を使いつつ各辺の長さを決めていきましょう。
(2) (1)の断面積を積分します。一応、x=sintと置換するというヒントがありますが、そのヒントを使わずとも(1)で使ったθで置換したほうが手っ取り早くできます。
x=sintと置換しても最終結果は一緒です。
<筆者の解答>
第5問
正射影を考える、本格的な空間図形の問題です。
(3)は超難問で、申し訳ありませんが、私自身最後まで解くことができませんでした(涙)。東大の1988年第2問という超難問の廉価版ともいえる小問です。
全体として高い空間認識能力が必須になります。
(1)設定が抽象的過ぎるので、平面Pをxy平面、平面PとQの交線がy軸となるように平面を固定してしまいましょう。
このときOAベクトルを長さ1, y軸とのなす角をΦとしてOA'の成分表示を求めましょう。(A'は、Aの平面Pへの正射影とします)。OAベクトルのz座標を0とすればOA'の成分表示になります。
この下でΦを動かせばOA'の長さの最大最小が分かります。
(※平面Q上にある長さ1の線分は、その平面の中でどう平行移動しようとも正射影の長さは変わらないので、線分の1端点がOとなるように固定して考えても問題ないわけです)
(2) △OABが正三角形となるようにQ上にBをとると、Bの座標は、Aの座標のΦをΦ+60°と置き換えたものになるので、(1)と同様にOB'の成分表示を求めて、三角形の面積を愚直に計算していきます。とはいえ、計算量は大分えぐいことになります。。
(3) 正四面体OABCの正射影なので、点Cの正射影が、△OABの正射影にすっぽり入るかはみ出るかによって大きく話が変わってきます。はみ出る場合は、△OA'B'に対してどの位置にはみ出るかも考慮しないといけません。
筆者は、前者の場合と後者の場合の途中までは検討できたのですが、面積の最大値を出し切ることがどうしてもできず、断念してしまいました。。すみません。
<筆者の解答>