私立最難関の一角、早稲田大学の理工学部の問題を取り上げます。今回は2012年です。
第1問
複素数の証明問題です。
(1)は常識過ぎて、逆にどこまで説明するかで悩みますね。。。さすがに
「α≠0かつβ≠0ならばαβ≠0」は自明としてよいのではないでしょうか。
(2)αが虚数だと仮定すると矛盾が発生することを説明しましょう。
(3)α1α2, ・・・, α2n+1α1と、各項が2回ずつ登場していることに注目できると、全部かければ、(α1α2・・・a2n+1)^2 >0 となることに気付きます。
(2)から、α1α2・・・a2n+1が実数だと分かるので、これをα1α2、α3α4、・・α2n-1α2nで全部割り算すればa2n+1が実数だと分かります。あとは芋づる式に全部実数だと分かっていきます。
<筆者の解答>
第2問
ガウス記号を含んだ数列を考える問題です。
(1) a1,a2,・・・を順番に計算していきます。
(2)試しにa1, a2を計算してみると規則性が見えてきますので、それを帰納法で示していきます。
(3) も基本的には実験して規則を見極めていきます。ただし、pの値によっていくつも分岐が発生するので考えにくくなりますが、一旦anが平方数になってしまえば(2)に帰着できるので、an=0となるnは(2)を利用して求まります。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
(1)P(An)については、教科書レベルです。P(Bn)については、「裏⇒表」が一度も出ないということは、「一旦裏が出れば、最後まで裏が出続ける」と言い換えることができます。よって、最初のk回は表、その後は全て裏になる確率を考えればよいと分かります。
(2) (1)で考えたkが2以上の場合だけ考えればよいわけです。
(3) 0<a<1/2から、a<1-aと分かるので、a/(1-a)という塊を作って考えるとよいことが分かります。
<筆者の解答>
第4問
複雑な関数のグラフについての問題です。
(1)愚直に微分を計算します。f(x)の見た目のごつさと裏腹に、f'(x)はかなりきれいな式になります。
(2) (1)の結果からf(x)が単調増加になることが分かるので、x=0,1でどうなるかを検討すればグラフが描けます。
(3)図形的な考察からQのy座標が求まるので、このy座標の取りうる値の範囲を調べます。
<筆者の解答>
第5問
点の存在領域と、その回転体の体積を求める問題です。かなりハードな問題です。
(1) ∠APB = θと固定して考えると、円周角の定理からPはとある円周上にあることが分かります。この円の、θを動かしたときの通過領域を考えることになります。対称性よりy>0の部分を考えれば十分です。
このとき、円の式からtanθをx,yの式で書くことができるので、tanθの取りうる値に注意してx,yの条件を決めていきましょう。
(2) Fの境界線のうち、膨らんでいる部分とくびれている部分に分けて積分していきます。
<筆者の解答>