ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

21世紀の早稲田理工数学 2004年

私立最難関の一角、早稲田大学理工学部の問題を取り上げます。今回は2004年です。

 第1問

f:id:stchopin:20200824210507p:plain

f:id:stchopin:20200824210526p:plain

早稲田にしては珍しい小問集合です。ライバルの慶応では定番の形式ですが。。

 

(1)は逆関数に関する問題です。

まず、a=0の時は逆関数がg(x)の形で書けないので不適です。よって、a≠0の時を考えて逆関数の式を出してしまいましょう。

 

そして面倒ですがf( f( f(x) ) )を計算して、f(x)の逆関数とが一致するようにaを決めます。

 

(2) P (p, p), Q (q, -q)とおいて、Rの座標を出してあげましょう。

PQ=3√2から円の式が、Rのx座標からは直線の式が出てきます。この両者が交点を持つ条件を考えればよいです。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200829182242p:plain

 

 第2問

f:id:stchopin:20200824210550p:plain

行列の計算問題です。

 

(1) y≠0と仮定すると矛盾が起こることを説明しましょう。

 

(2)条件式を整理すると、xA + yE = Oの形に帰着できます。AはEの定数倍ではないので、x=y=0とならないといけません。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200829182308p:plain

 

 第3問

f:id:stchopin:20200824210610p:plain

確率の問題です。

 

(1)2つのサイコロのうち、大きくないほうの数字をkとおいて確率を調べると見通しが良いでしょう。このとき、k=6のみ特別扱いです。

 

(2) 最初のm-1回はAが起こらず、m回目でAが起こる確率を計算します。

 

(3) (2)の結果の偶数バージョンを足し上げればpnが求まります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200829182331p:plain

 

 第4問

f:id:stchopin:20200824210628p:plain

複雑な漸化式で書かれる数列についての問題です。

 

(1)は、(3)の大ヒントになっています。騙されたと思って計算してみましょう。

 

(2)漸化式を利用して、帰納法で証明するとよいです。

 

(3) (2)の結果からan→2が分かり、(1)の結果から、

Σlog(ak -1 ) + log(an +1) =0 がわかります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200829182352p:plain

 

 第5問

f:id:stchopin:20200824210651p:plain

2本の指数関数のグラフに関する問題です。

 

(1)C1,C2の上下関係、交点に注意して積分しましょう。指数関数とcosの混じった積分は、sinにとりかえた関数の微分も利用して、先に原始関数を計算するとうまくいきます。

 

(2) C1, C2の交点x座標は、cosx* e^(xtanθ) = 1/b の解となります。この方程式が0<x<πで解を持たないbの条件を考えるので、f(x)= cosx* e^(xtanθ) のグラフを調べるという発想に至ります。xとθによる細かい場合分けが必要になります。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20200829182414p:plain

f:id:stchopin:20200829182434p:plain