私立最難関の一角、慶應義塾大学の医学部の問題を取り上げます。最終回の今回は2001年の問題です。
第1問
小問集合です。
(1) √(2次式)の小数部分についての問題です。
(あ)については2次不等式を解くだけなので簡単です。ここから、n≧(あ)+1ではanの整数部分がnになることが分かります。よって、<an>をnの式で具体的に書けるので極限を計算します。分子の有理化を使うとよいでしょう。
(う)~(お)については、<an>の増減を調べます。n≧(あ)+1では単調減少し、n≦(あ)は個別に調べればよいでしょう。
(2) 典型的な整数問題です。和と差の積の因数分解を使って解きます。
<筆者の解答>
第2問
確率の問題です。
(1) x=2,0,-1,-2にいる確率も同様に文字で置いて漸化式を作って解きます。
(2) Bがx=1にいる確率をqn'とすると、qn'はqnと同じ漸化式に従い初項だけが違う数列になります。このときQn = qn ×qn'で計算できます。
(3) AとBが両方x=0にいるときnは奇数に限ります。これに注意して、一度も(0,0)を通過せずに移動する確率を同じように考えます。
<筆者の解答>
第3問
行列を用いた曲線のパラメータ表示を考える問題です。
(1) x,yを素直に計算します。a=bのときとa≠bの時とで場合分けが発生します。
(2) (1)からx+y, x-yが求まるので、tを消去しましょう。
(3) x^2+y^2を計算して、これがt>0で常に1より大きくなるようなθの条件を考えます。
(4) (2)で求まった双曲線とy=x^2が交点を1つしか持たない条件を考えます。aを正負で場合分けして調べます。
<筆者の解答>
第4問
積分を使った関数についての問題です。
(1) 倍角の公式を使ってルートを外すことを考えます。
(2) f(b)-f(a)を計算して、分子を有理化すると(b-a)×(積分の式)になるので、後半の「積分の式」の値を評価します。積分の分母の値の取りうる値を調べればよいでしょう。
また、bをaに近づければはさみうちの定理によりf(b)→f(a)が分かり、これはaに右から近づけようが左から近づけようが関係がありません。これがまさに連続の定義そのものですね。
(3) (2)の結果からf(t)は単調増加で、f(1)>√3かつf(0)<√3なので証明できます。
<筆者の解答>