ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の名古屋大文系数学 2016年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では名古屋大学の2016年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の名古屋大理系数学 -2016年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

f:id:stchopin:20210903080549p:plain



理系第1問とほとんど同じ問題で、Aの座標の数字が違うだけです。

 

数字の違いによって答えが当然違ってくるので、答案自体は新規で解いて載せました。が、解き方は理系と全く同じです。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201115130803p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20210903080610p:plain



確率の問題です。

 

(1) 積が1以上になるのは、「0」を引かないときです。

 

(2)積が2になるのは、「0」を引かず、かつ「2」を引くときです。

 

(3) 数列の最大値を考えるので、前後の項との比が1より大きいか小さいかを考えるとよいでしょう。nの偶奇によって場合分けが発生します。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201115130828p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20210903080634p:plain



約数の総和を考える問題です。

 

(1) 約数を列挙して因数分解すると、(1+2+4+・・+2^k)×(1+p) となります。

公式として覚えている人も多いと思います。

 

(2) (1)の考え方を参考にして、2016を素因数分解して計算します。

 

(3) 2016の約数は、素因数分解の結果から、n = 2^a × 3^b × 7^c とかけます。(aは0~5, bは0~2, cは0~1)

 これをつかってs(n)を計算すると、

[ 2^(a+1) -1]×[ 3^(b+1) -1]×[ 7^(c+1) -1] = 2^7 × 3^3 + 7

が分かります。こうなるa,b,cを特定していきます。

 

登場する素因数が2,3,7だけなので、左辺の3の数がそれぞれ2,3,7で割り切れるかどうかを検討すると、7で割り切れる可能性があるのが2^(a+1) -1しかないことが分かります。

 

ここからaが特定できるので、残りは個別にb,cを検討すればよいでしょう。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201115130853p:plain

f:id:stchopin:20201115130910p:plain