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平成の東北大文系数学 2016年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東北大学の2016年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系数学 -2016年- - ちょぴん先生の数学部屋

第1問

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ベクトルを使った点の存在範囲の考察と、線形計画法の問題です。

 

(1) ベクトルの式からs,tをx,yの式に直してあげれば、与えられた3つの不等式を全て、x,yの不等式に焼き直すことができるので、これらを図示してあげましょう。

 

(2) OP・OC = -x+y となるので、直線k=-x+yとDが交点を持つkの最大値を考える問題に帰着します。

 

<筆者の回答>

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第2問

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絶対値関数と2次関数の交点数に関する問題です。

 

(1)直接Cと絶対値関数の形状を描いて検討しようとしても捉えどころがなく難しくなってしまいます。ここは、両者を連立した式を、「xの式=k」の形に直して、左辺のグラフと直線y=kの交点数を考える方が分かりやすいです。「定数分離」という頻出テクニックです。よって、左辺の式のグラフを描くことに注力しましょう。

 

(2)についても(1)と同様に「xの式=b」の形に直して、左辺の式の形状を考えればよいのですが、今回の場合はaの値によってグラフの形状が変化するので場合分けが必要です。

 

(3) (2)ができていれば、基本的な積分の問題です。

 

<筆者の回答>

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第3問

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小学校の算数のような文章題ですが、実質1次不定方程式を解く整数問題です。

 

問題文の条件を整理すれば、7l + 9m + 12n = 54 となる0以上の(l,m,n)を全て求める問題に帰着します。

7l以外の数が全て3の倍数だと気づけば、lが3の倍数でl=3l' と書けることが分かります。これを使えば、7l' + 3m + 4n = 18 と数を小さくできます。

 

ここまでくると3,4,7が互いに素となって先に使った方法が使えないのですが、一番係数が大きい7l'に注目すれば、l' = 0,1,2でないと左辺が18をオーバーしてしまうことがわかります。

 

あとは、l' = 0,1,2をそれぞれ代入して、個別に調べていけばよいでしょう。

 

<筆者の回答>

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第4問

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理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。