ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の東大文系数学 1998年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では東京大学の1998年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の東大理系数学 -1998年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

f:id:stchopin:20210902193716p:plain



理系第1問との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。

 

第2問

f:id:stchopin:20210902193734p:plain



領域図示と不等式証明の問題です。

 

(1) 鋭角三角形になる条件は、余弦定理から「ある辺の2乗< 残り2辺の2乗の和」が全ての辺で成立することです。この不等式を処理しましょう。

 

(2) 問題文にある不等式の左辺は、式変形すると円になることが分かります。この円が(1)の領域の外側に常にあれば題意は示せたことになるので、m,nの値で場合分けして調べましょう。

n=0だけ例外扱いで処理し、そうでない場合はn>0として符号をmに押し付けてしまって構いません。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212001827p:plain

f:id:stchopin:20201212001849p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20210902193758p:plain



漸化式に関する問題です。

 

(1)yが鋭角だということに注目して、単位円を使って4xをyの式で表現してみましょう。あとは0°≦y≦90°に注意して、xの値の場合分けをしましょう。ラジアンに慣れてしまうと度数法は書くのが面倒ですね。。。

 

(2) (1)のグラフを使います。θk=0°となるとき、θk-1は0°、45°、90°の3通りがありえます。同じように考えると、θk=90°になるθk-1は、22.5°, 67.5°の2つあることがグラフから分かり、θkが0°でも90°でもないときはθk-1は4つあることが分かります。

 

この性質を使って、θnの個数についての漸化式を作ることができます。通常の漸化式と違って、番号が巻き戻ることに注意です。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212001910p:plain

f:id:stchopin:20201212001931p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20210902193820p:plain



正四面体に関する問題です。

 

(1) 辺の長さの条件から、Dの座標を計算し次いでEの座標を計算すればよいでしょう。

 

(2) 直線DEとxz平面の交点をFとすれば、四面体ABFEの体積を求めればよいことが分かります。底面は、xz平面に張り付いている△ABFにすれば体積計算が楽です。

 

<筆者の回答>

f:id:stchopin:20201212001954p:plain

f:id:stchopin:20201212002013p:plain