旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。
この記事では京都大学の2011年の問題を取り上げます。
理系の記事はこちら↓
平成の京大理系数学 -2011年- - ちょぴん先生の数学部屋
第1問
小問集合です。
(1)角の2等分線に関する問題です。角の2等分線の性質からBD, CDの長さが求まるので、あとは余弦定理で良いですね。
(2)は理系第1問(1)と同じ問題ですので、理系の記事をご覧ください。
<筆者の回答>
第2問
四面体の問題です。問題文に明記されている通り、定番のベクトルを使います。
流れとしては以下のようになり、テンプレと言えます。
1. 余弦定理を使って内積OA・OB, OC・OAを計算する。
2. OHを、OA,OB,OCを使った式で表現する。
3. OH⊥△ABCから、OH・AB=0, OH・AC=0 を処理して、2の係数を決める。
4. OHの長さを計算する。
3の垂直の処理では、どの2つのベクトルを使ってもよいのですが、対称性が良くなるようにAB, ACの2つを採用しています。長さの条件からOAだけ仲間外れだと気づけばよかったと思います。
<筆者の回答>
第3問
3次関数と直線の交点の個数を数える問題です。
連立して、xの3次式=aの形にして、左辺のグラフを考える、というお馴染みの流れで解ける問題です。
<筆者の回答>
第4問
領域の面積を求める問題です。
一見するとややこしいですが、最初の不等式|x|≦2のおかげで、3番目の不等式の絶対値が有名無実化しています。絶対値が実質意味をなしていないとあれば、グラフを描くのも容易なので、面積計算も難しくありません。これ以上ない見かけ倒しの問題でした。
<筆者の回答>
第5問
0,1,2だけでできた整数の和に関する問題です。
(1) 1,2だけでできたnケタの整数を全て列挙すると、各位に1と2が同じ数だけ登場することが分かります。この事実からTnを計算できます。
(2) Snの計算もTnと全く同じようにすることができます。「n桁以下」となっているのは、先頭に0がくるとその分ケタ落ちするからです。
これが分かれば、お馴染みの常用対数を取って評価する流れになります。
<筆者の回答>