ちょぴん先生の数学部屋

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平成の名古屋大文系数学 2003年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では名古屋大学の2003年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の名古屋大理系数学 -2003年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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ベクトルの問題です。

 

(1)は角の2等分線の性質を証明する、いわゆる「公式証明」の問題です。OPとBCが平行になるように直線AO上にCをとって相似の関係を使いましょう。同位角、錯角といった懐かしい単語を久々に使いました。

 

(2) OPベクトルはa,bのみで書けて、OQもqaと文字で置けます。よって、OA⊥PQを内積で処理してqを求めてあげればOKです。

余談ですが、求まった答えはa,bについて対称な形をしています。これは、PからOBに垂線を下した足をRとしたときのORがOQと同じ長さになるということです。

これは偶然ではなく、よく見ると三角形の合同条件から、△OPQと△OPRが合同になっていることが分かるので当然の結果だと分かります。

 

<筆者の回答>

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第2問

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放物線とその法線に関する問題です。

 

(1)教科書レベルの問題です。

 

(2) Cとlの交点x座標を調べて積分計算します。S(P)の最小値は相加相乗平均で求めることができます。

 

<筆者の回答>

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第3問(a)

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整数問題です。今回の選択問題は圧倒的に(a)の方が楽です。

 

f(n)の意味するところは、要するにn以下のnと互いに素な自然数の個数なので、nと公約数を持つ自然数の個数を調べれば求まることになります。

 

(1) 直接数えても一応求まりますが、それではあまりに芸がなさすぎですね。

15以下の自然数で15と公約数を持つものは、3の倍数・5の倍数・15の倍数なので、それぞれの個数を数えればよいでしょう。

 

(2) (1)での考え方を一般化しただけです。

 

<筆者の回答>

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第3問(b)

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確率の問題です。

 

(1)3枚引かれる数字をa, 1枚ずつ引かれる数字をb1~bk-3 と固定してその確率を考えましょう。最後にa, b1~bk-3の選び方を考えればOKです。

 

(2)(3)

正直(2)の誘導なしでも、(2)を自力で思いついて(3)が解けるべきだと思います。

積の要素が詰まった数列の最小値・最大値は、前後の項との比を考えて、それが1より大きいか小さいかを考えるのが定番です。

 

<筆者の回答>

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