ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大文系数学 1992年

旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。

この記事では北海道大学の1992年の問題を取り上げます。

 

理系の記事はこちら↓

平成の北大理系数学 -1992年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

第1問

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円の通過領域を求める問題です。

 

(1) 円の式をaの2次方程式だとみなして、この方程式が実数解を持つx,yの条件を求めればOKです。

 

(2) (1)に加えて、実数解のうち少なくとも1つが0以上になる条件を求めます。「実数解が2つとも負」の余事象、として調べると早いです。

 

<筆者の回答>

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第2問

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1次変換に関する問題です。

 

単位円周上の点を(cosθ, sinθ)とおいて、この点をfで移した点がθによらず単位円周上にあるようにa~dを決めていきます。

 

そのまま解くのは難しので、a=rcosα, b=rsinα, c=rcosβ, d=rsinβと変数変換して考えていくと見通しが良くなります。するとAが、sinα, cosαの式で2つ求まるので、次の条件f(P)≠Pを考えていきます。

 

f(P)≠Pの意味するところは、(cosθ, sinθ)=f(cosθ, sinθ)となるθがない、ということです。これを処理すると、Aの候補2つのうち片方のみが合致することになります。

 

Aの答えはEではない回転行列となります。少し考えれば当然と思える結果ですよね。

 

<筆者の回答>

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第3問

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漸化式の問題です。

 

(1) 素直な2項間漸化式です。r=1の場合だけ例外扱いになることに注意です。

 

(2) (1)の結果を使って、階差数列の漸化式を解いていきます。ここでもr=1だけ例外扱いです。

 

<筆者の回答>

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第4問

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3次関数の接線と変曲点に関する問題です。

 

(1)教科書通りに接線の式を素直に計算しましょう。

 

(2) f(x)のグラフを描くと分かります。f(x)はx≧2で上凸、x≦2で下凸となることが分かるので、x≦aで接線が常にf(x)のグラフの下側に来るには、x≦aでf(x)が常に下凸になっていればよいことが分かります。よって、aの最大値を、f(x)の変曲点x=2に設定すればOKです。

(文系範囲って、変曲点って知識はOKでしたっけ?)

 

(3) 題意を満たすには、接点の位置がちょうど変曲点になっていればOKですので、それに注意して積分計算しましょう。

 

<筆者の回答>

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