このシリーズでは、平成の京大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。
理系の記事はこちら↓
平成の京大理系後期数学 -1998年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
9回目の今回は1998年になります。
第1問
α=r(cosθ+isinθ), β=R(cosφ+isinφ)としたとき、R,φをr,θで表現することを考えます。この時、Rはrの式で一意に定まり、φはθの式で2種類の形で求めることを示していきます。
<筆者の解答>
第2問
点の距離と、放物線と円の共通接線に関する問題です。
(1) BX^2をtの式で計算して、平方完成してあげればよいでしょう。ただし、bの値で場合分けが発生することに注意です。
(2) x=sでのy=x^2の接線が、Bを中心にする半径1の円にも接する条件からsが2つ求まり、結果共通接線が2つ求まることになります。接点が計2つあることと角度は、図示すれば分かります。
面積は、扇形なども駆使して図形的に計算してあげるとよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問
理系第2問と共通の問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。
第4問
三角関数の方程式の解の個数を考える問題です。
f(θ)=2sin3θ-2cos2θ-1が、倍角の公式を使うとsinθだけの式になり、X=sinθとするとf(θ)は3次関数g(X)に書き換えられるというのがポイントになります。
(1) g(X)は因数分解ができるので、グラフを利用してg(X)>0を解いてしまえばよいでしょう。最終的なθの条件への変換は、単位円を利用するとよいでしょう。
(2) y=g(X)のグラフとy=aとの交点の個数を考えます。-1≦X≦1におけるg(X)の増減を微分で調べればよいのですが、極値の計算と端点との大小比較がかなり面倒です。極値の計算は、g(X)をg'(X)で割り算するとやりやすくなります。
Xの個数が求まれば、あとはXとθの個数の対応関係に注意して、θの個数に変換してあげます。
<筆者の解答>
第5問
整数問題です。
(1)与式の分母を払うと、b(p^2+q^2)=apqとなり、aとbが互いに素なので、pqがbの倍数でないといけないと分かります。
(2) (1)の結果からpq=kb (k:自然数)と書けるので、与式からp^2+q^2=kaも分かります。
これをもとに√(a+2b)を計算すると、(p+q)/√kとなるので、あとはkが平方数でなおかつ√kがp+qの約数だと示せればよさそうです。
aとbが互いに素なので、kはpqとp^2+q^2の最大公約数だと分かります。よって、pとqの最大公約数gとこのkの関係を調べてあげれば何かしら進展すると考えられます。
<筆者の解答>