2021年も大学入試のシーズンがやってきました。
今回は、九州大学の文系数学に挑戦します。
原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。
理系の記事はこちら
2021年度 九大理系数学 解いてみました。 - ちょぴん先生の数学部屋
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1. 直角三角形の内接円、弦の長さの最大値(20分)
2. 領域図示(20分)
3. 放物線の接線、関連する面積(10分)
4. 数列の和、漸化式からの一般項導出(20分)
<体感難易度>
3<1<2<4
割と標準的な問題の並んだセットだと思います。ただ、第2問のようなタイプの問題は問題慣れしていないと何をすればよいか分かりにくいし、第4問(2)は結構威圧感のある漸化式なので敬遠したくなりますね。。
理系との共通問題はありませんでした。
<個別解説>
第1問
直角三角形の内接円、弦の長さの最大値について考察する問題です。
(1)内接円の半径rは、三角形の面積と周長から求めるのが定石です。
(2)円の半径をRとすると、円の中心Cの座標は(R,R)と書けます。弦ができるので、R>rに注意しましょう。
Cと直線ABとの距離dが分かってしまえば、三平方の定理を使ってPQをRの式で書くことができます。実質2次関数の最大化なので、平方完成で良いですね。
<筆者の回答>
第2問
領域図示の問題です。
このような「すべてのtに対して」というタイプの条件は、xを固定したときのtの関数の取りうる値を検討します。今回のケースであれば、xを固定してf(t) = xt - 2t^2 としたときのf(t)の最大値を考えればOKです。yがその最大値以上であれば、全てのtに対してy≧f(t)である、と言えるわけです。
(1) tの範囲に制限がないので、f(t)の平方完成だけで事足ります。
(2) |t|≦1とtの値に制限が入っているので、|t|≦1の範囲でのf(t)の最大値を考えます。xの値によってf(t)の軸の位置が変わるので、軸の位置で場合分けして考えましょう。
<筆者の回答>
第3問
放物線の接線と関連する面積を求める問題です。
(1) Cとlを連立した2次方程式が重解を持てばOKですね。
(2)接点のx座標を求めて図を描けば、容易く積分計算できます。
<筆者の回答>
第4問
数列の和と、漸化式から一般項を求める問題です。
(1) 等差数列×等比数列のタイプの和になっています。このタイプは、公比をかけて足し引きするのが定番です。
(2) 与えられた漸化式は威圧感があり、とても教科書で習うような典型的な解法では一般項が求まりそうにありませんね。
こうなった時は、とりあえず小さな値を代入して実験してみましょう。
すると、a2=2, a3=4, a4=8, a5=16,・・となり、n≧2ではan = 2^(n-1) と予想できそうですね。この予想が正しいことを、数学的帰納法で証明していきます。この証明の途中で(1)の形の和が登場することになります。
最後に、n=1の場合だけはこの一般式で書けない例外となることに注意しましょう。たまにこういうタイプがあります。
<筆者の回答>