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2022年度 北大文系数学 解いてみました。

2022年も大学入試のシーズンがやってきました。

今回は、北海道大学の文系数学に挑戦します。

原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。

理系の記事はこちら

2022年度 北大理系数学 解いてみました。 - ちょぴん先生の数学部屋

 

<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)

1. 3次不等式 (10分)

2. 数列の最小値 (15分)

3. 直角三角形の内接円 (10分)

4. 確率 (20分)

計55分

<体感難易度>

1<3<2<4

 

理系のセットとは違って、例年通りの平易な問題の並んだセットです。第4問の確率の問題こそ面倒なものの、他の問題は至って標準的な難易度です。

 

理系との共通問題はありませんでした。

 

<個別解説>

第1問

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3次不等式を解く問題です。

 

(1) この設問がわざわざ設けられてる時点で、答えは予想できそうですね。愚直に計算していくと共通因数が次々に出てきます。

 

(2) (1)の結果からf(x)が因数分解出来て、|k|<2の制限があるおかげで2次式の部分は無視してよくなります。

 

もし理系のセットでこれを出題するなら、kの値で場合分けさせて解かせると思いますね。

 

<筆者の回答>

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第2問

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数列の最小値に関する問題です。

 

(1) an+1 - anの符号を調べればよいでしょう。

 

(2) こちらは階差数列型の漸化式を解くことになります。

 

(3) anの和をSnとします。直接Snを求めるよりも、Sn -Sn-1 =anを使ってanの符号を調べる方が楽に行きます。anの式を丸ごと因数分解するのは難しそうに見えたので、答案では部分的に因数分解して目星をつけて符号が切り替わる瞬間を調べています。

 

結果論、丸ごと因数分解できる形でした。。。

 

<筆者の回答>

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第3問

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直角三角形の内接円に関する問題です。

 

(1) 直角三角形の面積を2通りの方法で調べることで内接円半径を求める、という典型問題です。

 

(2) OA, OB, OCはrを使うと図形的に求めることができます。途中sin15°の値が要求されますが、2倍角の公式から導出できるでしょう。

 

問題文には「0以上の整数の組k,l,m,nを『1つ』求めよ」と書いてありますが、実はこの組は解答にある1種類しかありません。

 

<筆者の回答>

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第4問

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確率の問題です。

 

(1)1枚引くたびに戻す条件は扱いが簡単です。2枚目に何を引くかを気にする必要がなく、単純に一回の操作でA,B,Cを引く確率がどうなるかをチェックするだけで事足ります。

 

(2)1枚引いた後に戻さない条件は、引く順番をちゃんと考慮しないといけなくて面倒です。愚直に、1回目と3回目の文字が一致するような引き方を列挙して確率を計算していくほかありません。

 

(3) 2枚目がCかつ1枚目と3枚目が同じ文字になる場合は、(2)で調査済みです。あとは、1枚目と3枚目が異なっていて2枚目がCになる確率を計算しましょう。

 

<筆者の回答>

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