2022年も大学入試のシーズンがやってきました。
今回は、九州大学の文系数学に挑戦します。
原則、文系ユニークの問題のみ解きますので、理系との共通問題については理系の記事をご覧ください。
理系の記事はこちら
2022年度 九大理系数学 解いてみました。 - ちょぴん先生の数学部屋
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1. 絶対値付き2次関数と接する直線 (25分)
2. 平面に対して対称な点 (20分) ※理系との共通問題
3. 4次方程式がガウス整数を解に持つ条件 (25分)
4. 区分求積法の導出 (20分)※理系との共通問題
計90分
<体感難易度>
4<2<3<1
処理量が多めの問題が集まったセットと言えます。文系ユニーク問題の第1問と第3問も意外と面倒な問題です。
<個別解説>
第1問
絶対値付き2次関数と接する直線に関する問題です。
(1)絶対値があるので、まずは外すことを考えましょう。Cの式の中身は綺麗に因数分解出来てa>-3の制限があるので、これといった場合分けもなく簡単に絶対値を外すことができます。
あとは、lがCの外側と内側のどっちに接しているべきかを場合分けして検討しましょう。
(2)図を描いて積分を計算しますが、区間をうまく分ける必要があります。
<筆者の回答>
第2問
理系第1問とほぼ共通の問題です。
理系の問題にあった(3)がない代わりに(2)が2段階に分割されています。とはいえ、文系の(2)も理系の問題を解く過程で求まっているので、詳しくは理系の記事をご覧ください。
第3問
4次方程式がガウス整数を解に持つ条件を考える問題です。
※実部と虚部がともに整数になる複素数を、「ガウス整数」と呼びます。
(1) 因数定理からf(2)=0ならf(x)はx-2で割り切れますので、f(2)=0を確かめましょう。あるいはkのある項とない項をまとめて直接因数分解してもよいと思います。
(2) f(x)をx-2で割ると、商として3次式が残ります。この商をg(x)とすると、g(x)は3次関数なのでxが十分小さいときには負の値をとり、g(0)=32>0となっているので、y=g(x)はx<0のどこかで必ずx軸と交わっていないといけません。
(3) f(x)=0の負の整数解を-nとすると、-nはg(x)=0の整数解なのでg(x)の定数項32の約数に限られます。つまり、n=1,2,4,8,16,32の6択に候補が絞れます。
あとはnの値で場合分けして、g(x)が虚数のガウス整数を持つかどうかを逐一チェックします。
g(x)の2次の項が一定なので、実はkの値が分からなくてもg(x)の因数分解自体は出来てしまいます(解いてる途中でこのことに気づき、答案ではn=16の検討以降はkを求めずに検討しています)。これに気付かないと、16^3とか32^3とかを計算しないといけなくて痛い目を見ます。
<筆者の回答>
第4問
理系第4問と、最後の1文以外完全に共通の問題です。
詳しくは理系の記事をご覧ください。