皆さん、こんにちは。
ドラマ「ドラゴン桜」に登場する問題たちが、youtuberのPASSLABOさんが監修していたということで、本日6/27放映の最終回で登場する予定の問題が先行公開されていました。
※PASSLABOさんの動画【東大監修】ドラゴン桜最終話の東大入試問題(数学)を先行公開します【公認】 - YouTubeより画像をキャプりました。
せっかくなので、放映前に解いてみることにしました。
筆者の答案を載せます。
<答案>
整数問題のエッセンスの詰まった良問だと思います。
今回使うツールは主に以下の2つです。
1. 平方数を3,4で割った余りは0か1
2. 対称性を利用した範囲の絞り込み
まず、問題文の右辺が「2020」という大きな数なのでごり押し検討は厳しそうです。なので、できるだけ右辺の数字を小さくしたいというモチベーションが働くわけです。
2020が4で割り切れるということに注目すると、a^2, b^2, c^2を4で割った余りが気になってきます。そこで前述の「平方数を3,4で割った余りは0か1」という性質を使うわけです。
調べていくと、a,b,cが全て偶数でないといけない、と分かります。
これにより、右辺の数字を505と小さくすることができるわけです。しかし、これでも多少マシになったとはいえ、ごり押しするのは厳しそうです。505は3で割り切れない奇数なので、これ以上同じ理屈で数字を小さくするのも厳しそうです。
そこで、次に考えるのが、文字の値の範囲の絞り込みです。
a=2A, b=2B, c=2Cとしたとき、左辺はA~Cについて対称な形をしているので、A≦B≦Cと適当に大小関係を決めても支障はないことになります。これを使って、一番大きな数字であるCに注目して範囲を絞るのが得策でしょう。
Cの範囲が絞れたら、その中でA^2 + B^2の値を虱潰しに全部計算していきます。ここの計算はズルできないので止む無しです。計10通り出てきます。
さて、この10通りをごり押しで検討するのは骨が折れそうなので、100%ありえない候補は最初から除いてしまいたい、というモチベーションが出てきます。
手掛かりはいくつかありますが、ここでも「平方数を3,4で割った余りは0か1」を使うのが良いでしょう。この局面では3で割った余りに着目します。
さっきと同様の検討をすると、A^2+B^2が3の倍数だった場合、AとBは3の倍数でないといけないことが分かり、そうするとA^2+B^2は9の倍数となります。
よって、A^2+B^2が3の倍数だけど9で割り切れない数字になることは100%ありえないことが分かります。この性質によって候補を10通り→5通りに一気に絞れます。
A^2+B^2が9の倍数になるもの(2つ)を先に調べると、約分によって全部不適であることが分かります。この時点で候補は3つに絞られました。
更にダメ押し。今度はA^2+B^2が4の倍数になるもの(2つ)に注目すると、先ほどと同じ理由でA,Bは両方偶数になるので容易に検討でき、いずれも不適だと分かります。
以上の検討から、候補はA^2 + B^2 = 181 の1つしか生き残りません。ここまで絞れば、あとはごり押しで虱潰しに調べましょう。無事に(A,B)=(9,10)だけが見つかります。
よって、求める答えは(A,B,C)=(9,10,18)、全部2倍して(a,b,c)=(18,20,36)!!
としたいところですが、これで終わってはダメです。
最初に決めたA≦B≦Cという大小関係は、解きやすくするために自分で勝手に決めたものに過ぎず、問題文では指定されていません。
なので、最終的な答えは、大小関係を取っ払い数字を並べ替えた6通り全てになります。
いや~なかなか解き応えのあるそこそこ難易度の高い問題だったのではないでしょうか。東大の本番で出題された場合は、ちょうど合否を分けるキー問題、くらいの難易度でしょう。
[追記]
ご本人による解説動画です。
なるほど。505に右辺を下げてからいきなり「3で割った余り」で攻めてるんですね。私も最初はそれを試し「A,B,Cのうち2つは3の倍数で、もう一つは3で割り切れない」は知ってたのですが、C=3r±1のように「3で割り切れない整数が2通りで表される」という場合分けの出現がだるく感じたので、この路線で解くことを止めた次第です。
結果として、私の解き方は「別解」になったので良かったのではないでしょうか笑
解き方が全く同じだと「お前カンニングしただろ」とか後日勘繰られてしまいそうでしたので・・