このシリーズでは、平成の京大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
17回目の今回は1990年になります。
第1問
4次関数の接線が引ける条件を考える問題です。
x=tでの接線を考え、(a,b)を通るtが4つある条件を求めていきます。aの値によって場合分けをするのですが、2つある極小値のどっちが小さいのかの検討の必要なので、かなり煩雑なことになります。
<筆者の解答>
第2問
関数の増減を考える問題です。
増加関数と言うことはf'(x)が常に0以上と言うことになります。f'(x)の符号を調べたくば分子の符号を調べればOKです。
分子はg(x)-2aの形になるので、これがつねに0以上と言うことは、「g(x)の最小値が2a以上」と言い換えることができます。
<筆者の解答>
第3問
微分方程式の問題です。
(1)PQとAPをsの式で書くことに終始します。APの方は綺麗な形に出来ないので積分のままにせざるを得ません。が、最終的にsで微分するので積分計算は不要です。
(2)定義に従って(1)の結果を使って計算していきましょう。
(3) (2)の結果を使うと、v''=vが分かります。これは指数関数が答えになるパターンでv=ae^t + be^(-t)が解になると分かります。あとは、tの式からt=√2のときs=1だとわかるので、それを利用して定数のa,bの値を決めていきます。
実はvを経由しなくても、uの微分方程式だけでも解けるのですが、知ってないと難しいと思います。
<筆者の解答>
第4問
三角形の面積を最小化する問題です。
t秒後のP,Q,Rの座標は簡単に求まるので、それを面積公式に当てはめて増減を考えます。このとき、本来ならtの4次式を考えるのですが、うまい具合にtの2次式の塊ができているので、それをXと置き換えれば2次関数の増減の問題に帰着させることができます。
<筆者の解答>
第5問
1次変換に関する問題です。
非常に抽象度が高い設問なのですが、実際にC,C'の式をおいたりfを表す行列をおいたりして検討すると大変なことになってしまいます。
なので、あえて抽象的なままの状態で解くことにします(大学数学っぽい議論なので難易度高めです)
キーポイントは、fが逆変換を持つので「移動元の点と移動先の点は必ず1対1である=単射」、「C上の点は隈なくC'上に移り逆も然り」ということです。
(2)では、Cの直径が必ずC'の直径に移ることを説明します。
<筆者の解答>
第6問
確率の問題です。基本的には期待値の計算問題です。
(1)これはXiの定義からして明らかでしょう。(2)以降では使わないので、なんでこんな設問を作ったんだろう?という感じです。
(2)X=kになる確率pkは「反復試行の確率」で求まるので、あとは、Σk^2*pkをひたすら計算です。2項定理の形に持ち込みたいので、うまく番号がずれるように係数を工夫していきます。
(3) E(X^2)はlについて単調増加なのは明らかなので、ある程度辺りを付けたら順繰りに代入してE(X^2)>2となる瞬間を逐一調べればOKです。ぱっと見でl=n付近だなという想像はつくはずです。
<筆者の解答>