このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。
17回目の今回は2001年になります。
第1問
整数問題です。
式からしてm^3より大きいのは明らかなので、与式は(m+1)^3, (m+2)^3、・・になるんだろうなと予想できます。
ここで問題文をよく読むと「mを求めよ」とあります。「全て求めよ」じゃないのがポイントで、mは1つしかないんじゃないか?と想像できます。
そう思って与式と(m+2)^3を比べてみると、(m+2)^3より小さいことが分かります。ということで、与式は(m+1)^3で確定です。
あとは、方程式を解いてmを確定させれば終了です。
<筆者の解答>
第2問
角度が鈍角になる条件を考える問題です。
POベクトルとPAベクトルの内積がマイナスであれば、∠OPAは鈍角になります。なのでこの条件を処理していきます。
すると、(xの関数)<(aの式)となります。このとき、このxの関数の最大値よりも(aの式)が大きければよいわけです。
<筆者の解答>
第3問
複素数を含んだ漸化式についての問題です。
(1)虚数を含んでいたとしても、解き方は実数の時と変わりません。
(2) (1)の結果を使うと、|α^(n-1) -1|≦4が考えるべき不等式になります。α=√2*(cosπ/4+isinπ/4)を使って不等式を書き換えて処理していきます。
その時cos(整数/4)πが混じる式になるので、nを8で割った余りで場合分けして検討すると見通しがよくなります。
<筆者の解答>
第4問
正四角錐の体積を最大化する問題です。
(1)母線の長さや角度設定を経由しつつ、条件を集めてhとxの関係式を求めていきます。
(2) (1)の結果を使うと、四角錐の体積は√(xの5次関数)の形で表せるので、√の中身の増減を微分を使って考えます。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題です。
ちょうどk回転換が起こる場合の数を検討することに終始します。
これは、
「横一列にn並んだボールの隙間にk個の仕切りを1つずつ入れて、左からA→B→Aと色を塗り分ける場合の数」
と同じです。A,Bに表と裏のどっちかを当てはめてあげれば、仕切りの入った場所で転換が起こると解釈できるわけです。
<筆者の解答>