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平成の東北大理系後期数学 -2005年-

このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

14回目の今回は2005年になります。

 

第1問

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点間距離の最小化と、面積の問題です。

 

(1) h(x)は4次関数のルートになるので、この4次関数を最小化してあげればよいわけです。中身を微分すると、|a|≦1/2の条件から符号変化する場所が1か所しかないことが分かります。

 

(2) 状況を絵にしてあげれば、面積計算は容易です。

 

<筆者の解答>

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第2問

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4次方程式の複素数解に関する問題です。

 

複素共役になっている解の組が2組あるので、それぞれについて、それを解に持つ2次方程式を作って、そうしてできる2つの2次方程式の積を作れば、与式になるはずです。

 

ということで、こうしてできる4次式と、与式が一致するように係数比較してあげましょう。係数比較でできる連立方程式を解くのが中々面倒ではありますが・・・

 

<筆者の解答>

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第3問

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確率の問題です。

 

B君は必ず偶数番目に玉を引くので、2k-1回目までは白ばかり引いて、2k回目で赤が出る確率を考えてあげます。

 

玉を戻さない設定なので、順番に白を引く確率を掛け算してあげればよいでしょう。

 

余談ですが、求まった確率は必ず1/2未満になるので、このゲームは先攻のAが有利なゲームと言えるでしょう。

 

<筆者の解答>

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第4問

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楕円に関する立体の体積を計算する問題です。

 

(1) PでのCの接線の傾きを調べる必要があるので、Cの式を両辺xで微分してみましょう。

 

(2)この問題一番の山です。Vがどんな立体かを正しく見極められるかがカギです。

 

まず底面は楕円の第1象限の部分です。(1)で調べた直線PQ(すなわちl)は、tが大きくなるにつれて左側(つまりy軸の方)に移動していくので、Vはy軸に近いほど高さが高くなることが分かります。

 

よって、z=sでVの断面を切ってあげると、楕円のうちP(s)Q(s)の左側は詰まっていて、右側には何もない、ということが分かります。

 

これが分かってしまえば、あとは積分計算で断面積を計算しましょう。

 

(3) (2)の断面積をsで積分するのみです。

 

<筆者の解答>

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第5問

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数列の無限級数を計算する問題です。

 

漸化式を繰り返し使ってあげると、約分が次々にできてanは最終的にきれいな分数式になります。無限級数については、部分分数分解で和を計算するタイプになります。

 

<筆者の解答>

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第6問

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三角関数連立方程式に関する問題です。

 

s=t+2Δ (|Δ|<π)と差を具体的に文字でおいてあげると、上2つの方程式が成立する条件はsin(mΔ)=0とわかり、下2つの方程式が成立条件は同様にsin(nΔ)=0とわかります。

(上の事実は、和積の公式を使って因数分解することで得られます)

 

そうなると、mΔとnΔがともにπの整数倍ということになります。あとは、mとnが互いに素で、かつ|Δ|<πを使って、Δ=0を証明しましょう。

 

<筆者の解答>

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