ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

21世紀の早稲田商数学 -2015年-

私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。

 

8回目の今回は2015年です。

 

第1問(1)

 

数列の問題です。

 

(ii)の積分を解いても、漸化式はきれいに解けません。なので、nが小さい所で実験をしてanの予測をして、それを帰納法で示す方針で行きます。

 

<筆者の解答>

 

第1問(2)

 

三角関数のΣの計算問題です。

 

対数の和を計算してるので、中身の積cosπ/16・・・・cos7π/16を実質計算することになります。角度の大きい部分をsinに変えて2倍角の公式を繰り返し使うことで、cosπ/16とかを直接計算しなくても上記の積を計算することができます。

 

<筆者の解答>

 

第1問(3)

 

関数の条件付きの最大値を求める問題です。

 

一見すると「線形計画法」を使えばよさそうですが、k=|7x-3y|+|5x-11y|のグラフを描くのがかなり大変なので、面倒な解法になってしまいます。

 

この問題では「最大値」だけ調べればいいので、もっと楽な方法を使ってみます。

 

絶対値は「|a+b|≦|a|+|b|」と不等式評価出来て、aとbが同符号の時(0を含む)に等号成立します。

 

よって、k=|7x-3y|+|5x-11y|の上限は、xとyが異符号(0を含む)のときに12|x|+14|y|とできます。そこに|x|+|y|=1を使ってあげると、k≦2|y|+12≦14 と評価できることになります。

 

<筆者の解答>

 

第1問(4)

 

合成関数の方程式の問題です。

 

f(f(f(x) ) )がグラフがうまく書けそうにないので、(ii)の方程式を力づくで解くことにしました。絶対値が付いたままだと考えにくいので、2乗するなどして、極力場合分けを端折れるように工夫して計算します。

 

この解からf(x)=xの解を取り除けばお目当てのaが求まります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

直角三角形の重なりの面積を考える問題です。

 

△OABと△PQRは合同な直角三角形で、互いに180°回転させたものになっています。

それに注意して、実際に2つの三角形をSが6角形になるように書いてみるとよいでしょう。

 

(1)上記の図を使って図形的に計算します。

 

(2) (1)の結果を平方完成することで最大値が求まります。念のため、求まったa,bが「Sが6角形」という条件をクリアしているかをチェックするべきです。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

整数列を考える問題です。

 

(1) (ii)にn=2015を代入してあげれば瞬殺です。

 

(2) (1)の結果を足掛かりにしていくと、f(4)=2015, f(8)=2019,・・・・だったりf(2015)=0, f(2019)=4,・・・が求まって、f(n+4)=f(n)+4の規則を持っていることが予測できます。これは(ii)を使うことで確かめることができます。

 

ここまでのチェックにより、f(4n), f(4n+3)についてはnの式で書くことができます。

 

あとは、お目当てのf(4n+1)をどうやってゲットするか、です。ここで、ようやく(iii)にご登場願います。

 

f(4n)<f(4n+2)<f(4n+4)となることから、f(4n+2)の候補を絞り込むことができ、さらに(ii)との整合性を調べることで一択に絞り込むことができます。これでf(4n+2)の一般項も手に入りました。が、肝心のf(4n+1)は見つかってないじゃん、となります。

 

しかし、実はf(4n+2)の式を絞り込む過程で、f(4n+1)の情報を調べていることに気が付きます。

 

<筆者の解答>