ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の早稲田商数学 -2014年-

私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。

 

9回目の今回は2014年です。

 

第1問(1)

 

多項式の割り算に関する問題です。

 

P(x)を4次式で割った余りは3次式であり、それをR(x)とすると、問題文からR(x)をx^2+x+1で割った余りがx+1で、R(x)をx^2-x+1で割った余りがx-1となることが分かります。

 

そうなるようにR(x)を決めていきます。回答では、商を文字でおいて係数比較を行っています。

 

<筆者の解答>

 

第1問(2)

 

積分を含む恒等式に関する問題です。

 

一見して両辺を微分すればよさそうだと分かり、実際に微分するとf(x)が2次式だと分かります。

 

2項目の微分については、数Ⅲ知識を使えば即座に計算できるのですが、うまくグラフを対称移動などしてあげると積分区間の文字をxにできます。

 

<筆者の解答>

 

第1問(3)

 

ガウス記号を含んだ方程式の問題です。

 

一般にx-1<[x]≦xが成立するので、この不等式でまずはaの候補を絞ってしまいましょう。そうしたら、候補を上から順に代入して、方程式を満たすか否かをチェックしていきます。

 

<筆者の解答>

 

第1問(4)

 

四面体上の線分の和を最小化する問題です。

 

そのままベクトルなどで力ずくで解こうとすると、√の足し算を処理する必要があり、非常に大変です。

 

ここは、「折れ線の長さ」と解釈して、展開図を考えてあげるのが得策です。展開図上でP,Q,R,Sが一直線上に乗ることが、最小になる必要条件になります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

3次関数の最小値を調べる問題です。

 

(1)(2)をまとめて考えてしまいます。

 

f(x)を微分してあげるとaの値によって極値を持つか否かが変化し、さらに極値を持つ場合に-1≦x≦1で最小値が極小値なのか端点なのかが変化しますので、順に調べていきましょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

絶対値を含んだ整数解の組を調べる問題です。

 

c=-a-bとなって、aとbが決まればcは自動的に決まるので、実質a,bの組み合わせの個数を調べることになります。

 

(1)これくらいであれば、力ずくでa,bを直接調べてしまった方が早いでしょう。

 

(2) |a|+|b|+|a+b|は必ず偶数になるので、|a|+|b|+|a+b|=2k (k=0,1,・・・,n)となる(a,b)の組み合わせの個数Tkを調べて、それらをすべて足し合わせればよさそうです。

 

k=0のときだけ例外扱いとなり、k≧1のときは、a,bの大小、正負で細かく場合分けして組み合わせの個数を調べていきます。

aとbは対称なので、a≦bとしても一般性を失いません。

 

<筆者の解答>