このシリーズでは、京都府立医科大学の数学の問題を解いていきます。
27回目の今回は1996年です。
(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます!)
第1問
関数の最小値をひたすら考える問題で、各問独立しています。
(1) f(x)を直で微分すればよいでしょう。Σは和なので、Σの中身をそのまま微分すればOKです。
(2)a0~a2nの大小関係が複雑なので、分かりやすくb1<b2<・・・<b2n+1としてしまえば見通しが良くなります。このときa0=bn+1となります。
この時に、bk≦x≦bk+1でのg(x)の増減を考えることで、絶対値を外すことができます。
(1)の結果が「a0~a2nの平均値」、(2)の結果が「a0~a2nの中央値」と分かれるのが面白い所ですね。
(3)こちらもxの範囲で場合分けしてあげると考えやすくなります。
<筆者の解答>
第2問
点の移動に関する所要時間について考える問題です。
Q(√3cosθ, √3sinθ)とおくことで、弧CQと線分QDの長さをθの式で求めて所要時間を計算できます。
それをθで微分して増減を調べればOKです。
<筆者の解答>
第3問
円や球に内接する長方形、直方体の周長や表面積を考察する問題です。
(1)長方形の1辺が軸に平行になるように設定すると見通しが良くなります。
(2)こちらについても直方体の各辺が軸に平行になるように考えていきます。頂点の一つが(p,q,r)(いずれも正)だとして考えていくと、S,Lはp,q,rの対称式で書け、かつp^2+q^2+r^2=a^2を満たしています。これらを連立してあげましょう。
すると、Lが最大ならSも最大になることが分かるので、Lの最大値を考えることになります。Lの式は平面と解釈できるので、球と平面が接する条件を考えればよいでしょう。
<筆者の解答>
第4問
確率に関する問題で、拍子抜けするぐらいに非常に簡単な問題です。
(1)教科書レベルで説明不要でしょう。
(2)Skが選ばれる確率が1/(N+1)で、その後赤がn回連続で出る確率は(1)で計算しています。(ii)の数値計算は、どこか小学生の頃を思わせる懐かしさがありますね。無限小数となるので、その記法に従って解答では表記しています。
(iii)は区分求積法で片が付きます。
<筆者の解答>