このシリーズでは、京都府立医科大学の数学の問題を解いていきます。
26回目の今回は1997年です。
(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます!)
第1問
面積計算の問題です。
両曲線の交点を調べて、積分する。ただそれだけの簡単な問題です。
<筆者の解答>
第2問
不等式証明の問題です。
(1)これは流石に教科書レベルでしょう。差を取って微分で増減を調べます。
(2)当然(1)の結果を使うのですが、(1)とは不等号の向きが逆になっています。(1)の両辺に-1をかけることでlogの中身を逆数にできることがポイントとなります。
<筆者の解答>
第3問
確率期待値の問題で、比重のほとんどが(3)に置かれている問題ですね。
(1)nが偶数なら、偶数のカードはn/2枚あることを利用すれば簡単ですね。
(2)2枚の和が偶数なら、2枚の偶奇は一致します。nが奇数の時、奇数のカードは(n+1)/2枚、偶数のカードは(n-1)/2枚あることに注意しましょう。
(3)これは中々に面倒な難問だと言えます。
n枚から番号X,Y (X<Y)を引いたとき、合計はS=X+Yとなります。なのでS=kとなる確率を調べて定義通りに期待値を計算していくことになり、そのためにはX+Y=kとなる(X,Y)の組数を調べればよいことになります。
組数を調べるにはグラフを描くのが手っ取り早いですが、kとnの大小関係、そしてkの偶奇という2つの切り口での場合分けが発生してしまいます。さらに期待値を計算しようと思ったら、nの偶奇と言う3つめの切り口まで登場します。
Σ計算自体も結構面倒で大変ですが、最終結果はいかにもそれっぽいという感じです。
<筆者の解答>
第4問
三角関数の交点と面積を考える問題です。
(1)定石通りf(x)=sin2x-asinxの0<x<π/2での増減を考えていきます。f'(x)の符号調べが意外に面倒で、aの値による場合分けが発生します。
(2)D自体の面積は簡単に計算できるので、2曲線で囲まれる面積がその半分の値になるようにaを調整していきます。そのためには、(1)の交点x座標をβとしたときに、cosβをaの式で表現してあげる必要があります。
<筆者の解答>
第5問
分数の式で書かれた双曲線に関する問題です。
(1) 与式から、a+c=-1かつb+d=2(a+c)が分かるので、Hは(1,2)を通ります。
(2) (1,2)がx+y=3上の点だと気付けると、Hのx=1での接線こそがx+y=3になるんじゃないかと類推が働くでしょう。なので、Hの式を微分して、x=1での微分係数が-1と一致することが確かめられれば、題意は示せたことになります。
<筆者の解答>