ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の早稲田商数学 -2017年-

私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。

 

6回目の今回は2017年です。

 

第1問(1)

 

絶対値付きの積分に関する問題です。

 

積分の中に絶対値が2つも入っているので、そのままxで場合分けして計算するのは現実的ではありません。ここは、いっそy=| |t|-1 |のグラフを使って、面積を計算することでf(x)を計算していくのが良いと思います。

 

y=f(x)のグラフの形状が分かれば、求める面積の計算はさほど難しくありません。

 

<筆者の解答>

 

第1問(2)

 

4次方程式に関する問題です。

 

実数解1,3を持っていると確定しているので、この4次式は確実に(x-1)(x-3)で割り切れることが分かります。あとは、残った2次方程式がx=1,3以外の実数解をもたない、あるいは実数解をもたない条件を考えていけばよいです。

 

<筆者の解答>

 

第1問(3)

 

線分の和を最小化する問題です。

 

△ABCが直角三角形になっているので、Bを原点にした座標軸を設定してあげると見通しが良くなります。O(X,Y)とおいて、OP^2+OQ^2+OR^2をX,Yの式で表現し、平方完成を使って最小化していきましょう。計算はかなり面倒です。

 

<筆者の解答>

 

第1問(4)

 

最大値関数に関する問題です。

 

まずは10^(-k)2^nと10^(100)3^(-n)の大小関係が当然ながら気になるので、どこで大小が切り替わるかを調べていきます。すると、境界線がn=(k+100)/log6だと分かります。

 

そのもとで、(*)の左辺の最小値を考えると、M=「(k+100)/log6の整数部分」としたときに、10^(-k)2^Mか、10^(100)3^(-M)のいずれかとなります。このいずれかが1以上であればOKです。

 

この問題はどうせ穴埋め式なので、Mが1か所しか出てこない10^(100)3^(-M)≧1の方だけ処理してMの最大値を決め打ってしまってもよい気がしますね。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

整数の立方根に関する問題です。

 

(1)n^(1/3)の整数部分が2となるnは、8~26なので、その中から4の倍数を抽出すればおしまいです。

 

(2) n^(1/3)の整数部分がpなら、p≦n^(1/3)<p+1⇔ p^3 ≦n<p^3 + 3p^2+3p+1

と評価できるので、ここからp^2で割り切れるものを抽出します。

p=1,2,3の場合、4≦p≦99の場合, p=100の場合に分けて考える必要があることに注意です。

 

(3) (2)で調べた各場合についてqnを調べて全て足し上げます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

いわゆるチェビシェフ多項式に関する問題です。

 

(1) cos(n+1)θ+cos(n-1)θを計算することで漸化式が求まります。

 

(2) n=1,2,3での様子から最高次係数が予測できるので、(1)を使って数学的帰納法です。

 

(3) 式変形を行うと、実質5×10^999×P1000(1/10)の1の位を求めることに帰着します。

実はP1000(x)のx^999の係数は0になるので、(2)の結果も相まって結局2^998の1の位と一致します。

 

あとは、2の累乗の1の位を周期性から調べれば終了です。

 

<筆者の解答>