このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
2回目の今回は2018年になります。
第1問
整数問題です。
(1)有名な因数分解の式ですね。左辺を直接計算しても求まると思いますが、答案では等比数列の和の公式を示す形の証明方法を採用しています。
(2) (1)の結果からwが整数であることは自明であり、なおかつw=2^n +(10^nの倍数)の形で書けています。
(3) (2)の結果を生かしたいところです。そうなってくると(3)で考える整数はwに比べて分子の2^(n+1)の部分が足りないことが気になってきます。もしこの部分が0より大きく1より小さいことが分かれば、考える整数はw-1となるので、それを示すことを目標にしてみましょう。
<筆者の解答>
第2問
複素数平面の問題です。
(1)まずはR,S,Tを表す複素数を、60°回転の複素数の掛け算を利用し求めてみましょう。そうすると、U,V,Wを表す複素数u,v,wは容易に求まります。
(2) UV=UWかつ、この2辺の成す角が60°であることが証明できればOKです。
なので、複素数の言葉では、(w-u)/(v-u)がcos60°±isin60°であればよいことになります。
(3)Gを表す複素数gが、g=(u+v+w)/3となるので、問題文の式に代入して式変形すればよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問
確率・期待値の問題です。
(1)実際に2回操作するとどうなるかを図にすればよいでしょう。
(2)n回後に赤がk個ないしk+1個ある状態から1回操作して赤がk+1個になるにはどうなればいいかを考えます。
(3) (2)で作った漸化式に、k+1をかけて和を取ってあげれば期待値の漸化式に出来ます。その際にΣpn(k) = 1となることに注意します。
(4) bn = (a+n-1)Mnとしてあげれば階差数列の形に持ち込めます。
<筆者の解答>
第4問
点の軌跡を考える問題です。
(1) f(x)の微分を使ってL(s)を計算します。
(2)実際に図を描いてみると、lの傾きの情報さえあれば十分だと分かります。傾きの情報と三平方の定理を連立しましょう。
(3) Rの座標をsの式で書くと、勘のいい人は見た瞬間に円の式だと分かると思います。分からなければ、愚直にsを消去して考えても大丈夫です。
あとは、x座標とy座標の範囲を調べることを忘れないようにしましょう。
<筆者の解答>