このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
9回目の今回は2011年になります。
第1問
1次変換に関する問題です。
(1) (2)
fの行列をかければOKです。この結果からQはfを作用させても変化せず、Rはfを作用させると符号が反転することが分かります。
(3) OQベクトルとORベクトルが一次独立なので、任意の点PはOP=αOQ+βORと書くことができます。これにfを作用させると、(1) (2)の結果からf(OP)=αOQ-βORとかけます。
こうしてできる点とPが対称関係にあることを確かめていきます。
<筆者の解答>
第2問
点の像を考える問題です。
A~DのPによる影をA'~D'とします。
(1) A'は直線PAとxy平面との交点なので、直線PA上の点をパラメータ表示し、z座標=0からそのパラメータを確定させます。
(2) B'~D'についても(1)と全く同様に計算できます。
(3) A'が△B'C'D'の内部にあればいいので、(1) (2)の状況を図に描いてしまえばよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問
積分の計算問題です。
(1)結局e^(-x)=kになるようなkの条件を見つけることになります。
(3) 積分の中に絶対値が入っているので、中身の符号によって積分区間を分ける必要があります。(2)の結果を使うと計算が少し楽になります。
あとはkで微分して増減を調べればよいでしょう。
<筆者の解答>
第4問
三角関数の数列の問題です。
(1)漸化式の形からして、cosの2倍角の公式が予想できますので、数学的帰納法でxnの一般項を確定させましょう。
(2) (3) n→∞を考えるので、n-l>0で考えて問題ありません。
・p=2^lなら、cosの中身が偶数×πになるので、nによらずxn=1になります。
・p=3×2^lなら、cosの中身が 2^(n-l)π/3となるので、実質2^(n-l)を6で割った余りがxnの値を決めます。2^(n-l-1)を3で割った余りを利用して考えればよいでしょう。
このケースの場合は、nによらずxnは同じ値になります。
・p=5×2^lなら、cosの中身が 2^(n-l)π/5となるので、実質2^(n-l)を10で割った余りがxnの値を決めます。なので、2^(n-l)の1の位を調べましょう。
このケースの場合は、xnは2つの値を行き来することになるので、収束しません。
※「発散する」という表現だと、±∞に吹っ飛んでいくイメージなので、今回のように振動する場合には不適切な表現ではないかと思います。「収束しない」で良いと思います。
<筆者の解答>