ちょぴん先生の数学部屋

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平成の北大理系後期数学 -2008年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

12回目の今回は2008年になります。

 

第1問

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行列の問題です。

 

(1)Xを文字でおいて、XA=AXとなるように条件を決めていきます。そうしてXから無理やりAを抽出してみましょう。

 

(2) こちらも(1)と同様に考えます。k=2かそうでないかで場合分けが発生します。

 

<筆者の解答>

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第2問

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sinxをグラフを題材にした四角形の面積を考える問題です。

 

(1) xcosx+sinxを微分しても増減がうまく調べられないので、方程式をtanx=-xと変形してy=tanxとy=-xのグラフの交点を考えるとよいでしょう。

 

(2) △OPQと△OQEに分けて考えると見通しがよくなります。後者はPによらず一定で、前者については、Pでの接線とOQが平行になるとき面積が最大になることが、図形的に分かります。

 

<筆者の解答>

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第3問

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微分方程式に関する問題です。津波の速さを題材にしていますが、この間トンガの海底火山噴火による津波が話題になったので、妙にタイムリーになってしまいましたね・・

 

(1) dt/dxを出すだけなら、問題文のdx/dtの逆数を答えればよいので簡単です。が、(2)に備えて微分方程式自体を解いてtをxの式で書いてしまいましょう。積分定数はx=0のときt=0という条件で決められます。

 

(2) (1)で求まったtの式を利用していけばOKです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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三角形の面積を題材にした確率の問題ですが、実質Sから(a,b,c)の組み合わせを決めていく整数問題です。

 

(1) BAベクトルとBCベクトルからSが求まります。

 

(2) (3) ともに(1)の結果を使ってSの条件を満たす(a,b,c)の組み合わせを探します。a=1,2,3,4と場合分けして調べるとよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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