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平成の北大理系後期数学 -2007年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

13回目の今回は2007年になります。

 

第1問

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三角関数の方程式に関する問題です。

 

(1) tを2乗してあげると、うまい具合にsin2x, cos2xに絡んだ式が登場します。

この段階でtの値域を調べておくとよいです。

 

(2) tの方程式として解いて、三角関数の合成を使えばxに変換できます。

 

(3)tの方程式を解くと2つの実数解が出てくるので、この2つがtの値域に含まれているかどうかを確認しましょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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円錐側面の面積に関する問題です。

 

(1)直線PQとx軸のぶつかる点を考えて、円錐の展開図、相似比を使って考えていくとよいでしょう。

 

(2) (1)ができていれば瞬殺です。

 

[訂正]

答案の展開図側面の母線が誤ってHになってしまってます。正しくは√(H^2+f(a)^2)となるため、修正が必要です。

 

というわけで、(1)の答えは、答案のものに√(1+ [{f(a+h)-f(a)}/h]^2をかけたもの、(2)の答えは、答案のものに√(1+f'(a)^2)をかけたものになります。

 

議論の大枠には影響しませんが、すみませんでした。

 

<筆者の解答>

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第3問

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立体の体積を求める問題です。

 

(1)2行目の不等式を変形できるかがポイントです。

 

(2) (1)ができていれば0≦t≦1でS(t)を積分すれば求まります。

 

<筆者の解答>

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第4問

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抽象的な1次変換に関する問題です。

 

(1)とりあえず(αt+β, t+γ)をAで移動させてtを消去してみましょう。tの係数が0か否かで場合分けが発生します。

 

(2) (1)の結果を生かすと、α=0, β=1の場合を考えればよいと分かります(γは何でもいいのですが、簡単のためにγ=0として考えるとすっきりします)。また、異なる2点が異なる2点に移動しているので、(1)での「1点に移る」場合は除外すればよいです。

 

これを元に、Aが逆行列を持つ、つまりad-bc≠0となることを示していきましょう。移動先の直線が「原点を通らない」というのがカギです。

 

<筆者の解答>

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